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大絶賛放置プレイかましてますマジすいませんぢぶん逝ってヨシ! 

ゴルァo(`Д´#)(#`Д´)oゴルァ





…なんでこんなにノロノロもたもた執筆なんだか(;´Д`)
しかもまたもやこんなところで次回に続く。あーあ。。。


とりあえず続きを読んでくんちぇ…っ!


個人的に団長さん×ティーナ(どういう×なんだ;)のデコボコっとしたコンビ(おにゃのこといかついおっさん←ヲイ;)ってなんかかわいくって好きですよん♪
いきなりチョイ役で出てきた彼、グリエンダル君はバレリアンさんのお小姓つーかお稚児さん…ゲフンガフンなんて設定ではありませんので(^^ゞ
>そんな釘刺さんでも誰もそう見ないから安心しる(爆)

次回はティーナとガルオンさんとバレリアンさんごたいめーん!
>なんでまだそんなところをとろとろ書いてんだ私;てか。。。

いさなさーん、お待たせしてばかりですいまっせん!
(枢木神社の玉砂利で土下座orz ←そのネタ;)






 彼は一人、セルリアン宮殿内の自身にあてがわれた一室にて、重くやるせないためいきをその口から盛大に吐き出した。

 「ええい、くそっ。なんていまいましいんだっ」

 今しもだんっと机の上をその固く握られた拳で思い切りよく叩きかねない勢いでまくしたてるも、彼が座している席の前には山と詰まれた紙の束、報告書や陳情書の類が所狭しとスペース上を占拠しており、あいにくとそれは叶わなかった。

 だが、それでもやはり、やり場のない怒りと喪失感と空虚感といった、複雑多岐に渡る感情にみぞおちの辺りがきりきりと痛むような感覚に苛まれて致し方ないのは事実である。

 彼は再び大きなためいきをつく代わりに、誰もいない空間に向かって一人で吼え立てるのだった。

 「…ったく。どいつもこいつも…っ! いいかげん、こんなものをよこしやがるよりもっ! 何でもいいからこの事態に対する対策や手立てを考えてこいっていうんだっ」

 浅黒い肌と短く切りそろえられた金の髪。
 それから幅広い肩と鍛え上げられた屈強そうな体格。
 身にまとう騎士服正装がどこか窮屈そうな様を示す。

 そんな彼の名は、レッド・バレリアン・ルーバー。

 セレスト・セレスティアン国王室付き近衛騎士団団長を務める男であり、この部屋の――彼の無骨で強面な様相からは、遠くかけ離れているように見受けられるほど、華美で典雅で趣味の良い調度品は、超一流であり特級クラスの贅のかけかただったが――主でもある。

 彼は今、自身の元へと寄せられる前述の如き書類――報告や意見書、陳情書といった類――にひどい鬱屈と苛立ちを覚えていた。

 誰の目にも明らかといった具合で、あからさまに眉間にしわを寄せて苦々しくちらと視線を投げかけては、もううんざりだとでも言いたげにふいと顔をそむけると、背後に位置する両開き窓の外へとまなざしを泳がせるのだった。

 ――“虚無”、か。

 バレリアンは胸中ひとりごちると、視界の隅に無造作に詰まれていた書類の山の一番上にあった報告書を指でつまみ取った。

 それからざっと表紙に記された題名に目を走らせてみるのだが、どうやら読んだそばから余計に興味を失っていくらしく、再びぱさりと何の感慨もなくそこいら辺りに投げつける始末。

 しょせんこんなもの、ページなどめくらなくたって、どんなことが書かれているかなど、誰だってわからいでか…っ!

 そう、声高に叫びたくなる衝動を抑えながら。

 何せ時と場所と報告者の被りはほとんどといっていいぐらいに違えど、そこに記載されている内容は皆、一様にお定まりであったのだ。

 しかもそれは、彼が今いちばんの関心を払わずにはいられない、“虚無”に関連することばかり。

 彼はかつての自身の経験をちらと脳裏によぎらせると、自身の仇名でもある“赤い雷電”の名がたちまちどこぞへとすたこらっさっと逃亡していく勢いで、身の毛もよだつ感覚を瞬時にして甦らせると、我知らずぶるりと背筋を震わす。

 果たしていつ頃からそれが発生していたのか、既にもう定かではないが、ある一定の時期を境に、突如として事物が忽然として消失するという奇怪な現象が国内の至るところで目撃されだしたのだ。

 その真相を探るべく、バレリアンを筆頭団長とする近衛騎士団一行は、各地を転々しながら調査していたのだ、ほんのつい数日前まで。

 その調査中の矢先、たまたま件の消失した現場に居合わせたことが彼らにはあり、それをほんのわずかでも思い出そうものなら、団員の誰しもがついぞ体験したことのない計り知れない驚愕の事実と、迫りくる恐怖に、彼ほどの百戦錬磨の猛者とて矢も立てもいられなくなってしまうのだった。

 何せ、その時の状況――自身が立つ場所から手前の方向には地面も、草木も、少し離れた位置には物置小屋のような建物とて存在するのに、彼らの目線の先には全く存在していないのだ。

 乳白色の濃い霧に包まれているが如く、視界に映るものはなし。
 たとえ遠く手を伸ばしたとて、微かにでも伝わる感触などなし。

 どれだけ足の先で熱心に地面の存在を探ろうとも、地の底の底まで直につながっているのではと想起させる程、何の反応も得られなかったのである。

 これまでの近隣諸国を含む自国の膨大な歴史の流れにおいても、文献にすら一行たりとて記されたためしのない、“虚無”という事象。

 それが今や、ここセレスト・セレスティアン国の王都の領内において、頻繁に起こりうる現実となっていたのである。

 「…だからといって、何でもかんでも俺に問題を押し付けてきやがって、内務の奴ら」

 バレリアンは額に手を当てながら、独り言にしてはかなりハッキリした物言いでぼやきはじめた。

 個人にあてがわれたにしては、かなり広いスペースを誇る居室に変わらずずっと自分ひとりなのをいいことに、半ば八つ当たりのようにバレリアンはさらに愚痴をこぼしていく。

 「たかが一介の人間風情の俺サマに何が出来るってーんだよ、ったく。城の専任魔法士すら匙投げてるっつーのに、この“虚無”を防ぐ対策だの手立てを早急に考えろっつったって、そんなん土台ムリに決まってんだろーがっ。なんせ原因がはなからわからんときてんだ、それを一体どうしろと…。どんだけつつかれたって、俺ぁ知らねーってばよっ。しょせん一般市民の俺さまにはムリ難題だって。名高い魔法使いサマが太刀打ちできねーってんなら、だったらさぁあ、西の谷の竜にでも聞いてみろっってんだよ。あーっ、ったく…! むかっ腹がおさまらねえっ」

 さんざん罵詈雑言と罵倒を尽くしてもなお、ふつふつと胸の底のどこかしこから湧いてくる、筆舌し難い腹立だしさにバレリアンは半ばうんざりしていた、まさにその時だった――。

 こつこつこつ。城の規定通り三回、ドアをノックする音が響いた。 バレリアンはそれを耳に聞きつけたとたん、回転椅子を軽く元に戻して出入り口のドア方面へと身体ごと向ける。

 「ちっ。またかよ…」
 バレリアンはとどこか苦虫を噛み潰したかのような渋い表情を浮かべつつ、軽く「うー」とうなりながらも、ちょうどドアを挟んだ向こう側に立っているであろう、使者の入室を許可したのだった。

 「ああ、いいぜ開いてる。入ってきな。だがなー、もう持って来なくてもいいぞー。報告書は来年の分までじゅーぶんに間に合っているからなっ」

 片手で頬杖をつき、どこか投げやりな態度で足を組んだまま椅子の背もたれに自身の背中を預けていたバレリアン。

 すると「失礼しますルーバー卿、入りますっ」と、やたら威勢のいい甲高い声が響き渡ったかと思うと、続いて間髪も挟まずにばぁんとドアが盛大な音を鳴らして開かれた。

 やって来たのはバレリアンにとってなじみのある騎士団員の内の一人、グリエンダル・ハース。

 最年少の新入りの彼は団内の慣例に倣い、団長であるバレリアンのセルリアン宮殿滞在中、こまごまとした世話係も同時に兼務しているのだった。

 「お、恐れながらご報告申し上げます! あ、あの…っ。団長、そ、空にっ!」

 「んああ? 何だぁ? おいどうした、そんな血相なんか変えて」

 「そ…それが。と、とにかく! た、大変なんです…っ」

 「あー。だから、どうしたと聞いてる。ちったぁ落ち着いて順序だてて話せばいいだろうがよ。俺はどこにも逃げも隠れもしねえんだからさ」

 「竜が、竜が城の敷地内に現れました…っ!?」

 「なんだとお…っ!?」

 彼の奏上した報告を聞きつけたとたん、バレリアンは即座に立ち上がった。

 慌てていたのと思い切りよく椅子を引いたせいで、ガタンと大きな音が、それまで整えられていた室内の秩序を瞬時にして切り裂く。

 それからバレリアンはどたどたと足音を響かせながら、もたつく指先に半ばイラつきを隠せないまま、バルコニーへと続くガラス戸をばっと開いて外に一歩踏み出す。

 ――!?

 とたん、ぶわっと風が彼の背中から勢いよく吹き付けられた。

 短く刈った髪が縦横無尽にわしゃわしゃとなぶられ、身につけた群青色のマント――国章を大胆にもトリミングしデザイン化された――がひるがえる。

 そのことに気を配るよりも素早く、頭上を見上げればそこには――。

 城の位置する場所よりはるか遠く、それでもかろうじて領内のぎりぎり上空を通り過ぎていた物体が、くるりと向きを変え、彼のいる城の方向へと目がけてぐんぐん近づいてくる。

 そんな様がダイレクトに彼の視界に飛び込んできたところだったのだ。

 「あれは……っ!」

 もしや竜、か――。

 そう口に出すよりも早く、かの謎の飛行物体はぐわんと彼の頭の上を再びとてつもないスピードで飛び去って行った。

 その際に沸き起こる風圧のすさまじさは計り知れず、体格の良いバレリアンですらもよほどこらえてなければ、その場からたちまちの内に吹き飛ばされかねないほどの威力を放っていたのだった。

 だが、その時バレリアンは見たのだ。

 衝撃に耐えるようあらかじめ予見していた通りに腰を落とし、しっかりと地に足をつけてふんばり、バルコニーの手すりを両手でつかみながらも。

 自分の両腕、ひとかかえもありそうなほど大きな口からのぞく鋭い歯と、ぎろと目玉を動かしてこちらを見やった竜の顔。

 それからそれから、竜の足元に腕を回してしがみついていた二つの人影を。

 あれは……もしや、薬師・ガルオン!?

 バレリアンが見た人影の内の一人が、彼にとってもなじみのある顔であったこと、その驚愕ともいえるその事実に、バレリアンはしばし言葉を失い、ただひたすら竜の飛び去って行った方角を眺めるだけがせいぜいだったのだ。
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王都に到着
しましたね!
竜の登場が、色んな人たちに驚きを与えているんだな、とこのシーンを見て思いました。
団長さんとティーナのやりとりも楽しみですが、ラズリとの再会はいつなのかしら…?
いさな 2008/10/20(Mon)23:14:39 編集
やっとのことで…!
いさなさん、コメントありがとうございますー!

なかなか先が進まないのでもどかしいかと思いますが(^^ゞ
ら…ラズリは次の次ぐらいにやっと登場かと。

あれ? 次はティーナで、その次が王様だから、 
えーと。。。

その次ですかねえ…(遠い目)
>おっそーい!

きびきびとっととやりたいのですが、どうも気持ちが散漫でイカンです;
今回も本当はティーナの場面まで一回で披露したかったのですが、私の気合が足りませんでした(-_-;)

それでも着実に、微々たるものではありますが、予定通りに進んではいるのですよvv

バレリアンさん、遠征の途中とかで竜を見たことはあるのですが、遠くで飛び去るところだったりして、ここまで直で見たことがなかったんだろうなあ~と思うんですよね、だからどんだけすごいんだか竜って、という雰囲気を出してみたくて書いたつもりです♪
そんな風に思っていただけたらこちらはやった!という達成感でいっぱいですvv
やまの URL 2008/10/21(Tue)00:09:56 編集
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