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こんばんは。やまのです。
やっとのことで後編をお届けすることができます;
書いてみてわかりましたことですが、part:1が全部で13ページだなんてとんでもなかった で す !
結局17~18ページくらいありました…orz
週一で上げていた頃が全部合わせても20P前後だったので、意外にも分割掲載型にするとそっちの方がヴォリューム増すらしいです。
両方合わせて何枚になるんだか。(キロバイト数の方がわかりやすいけど書いているのがワープロソフト使用で縦書きなのでそんな換算です)
なんだかハチャメチャな感じもするんですけど、しょせん「やっちゃったもん勝ち」なのでいーんですよ。。。
さて、ティーナに対して鬼畜どんだけ~;って感じの展開になってまいりましたが、彼女を救うのはラズリ君だけだ君だけだ…!ということで、久々にラズリsideの話が次回から書けて嬉しいなっと♪
であであ。
まーたキリキリがんばりますね…!
やっとのことで後編をお届けすることができます;
書いてみてわかりましたことですが、part:1が全部で13ページだなんてとんでもなかった で す !
結局17~18ページくらいありました…orz
週一で上げていた頃が全部合わせても20P前後だったので、意外にも分割掲載型にするとそっちの方がヴォリューム増すらしいです。
両方合わせて何枚になるんだか。(キロバイト数の方がわかりやすいけど書いているのがワープロソフト使用で縦書きなのでそんな換算です)
なんだかハチャメチャな感じもするんですけど、しょせん「やっちゃったもん勝ち」なのでいーんですよ。。。
さて、ティーナに対して鬼畜どんだけ~;って感じの展開になってまいりましたが、彼女を救うのはラズリ君だけだ君だけだ…!ということで、久々にラズリsideの話が次回から書けて嬉しいなっと♪
であであ。
まーたキリキリがんばりますね…!
この上ない非常事態であるからとお付きの使用人全てに暇を与えたセシリアは一人、鎮守府であるところの隠れ森の社に残り、ひたすら篭った。
そしてその持てる力全てを注ぎて成した複雑な構文を組み合わせた魔法陣を黙々と描き続けながら、魔族への徹底抗戦を貫いていたのだった。
国内外にはびこり、建造物や自然を破壊し、無差別に人に襲いかかる魔族ども。奴らを一体ずつその布陣にて封じては、また一体。それを飽くなく繰り返すいう、かなり根気がいるだけでなく、気の遠くなるような作業をずっとこなしながら。
ひとたび、手を抜けば。
ほんの少しでも気を許せば。
その魔法陣の効力は弱まり、たちまち魔族どもは異界より結界を破って現われ、地にはびこり、いつの間にやら増殖して新たに人の世に対する侵略を開始する。どこにも終わりが見えない、いたちごっこだった。
どうしたらいい。
どうすればいい。
このままではちっとも埒が明かない。
自身の、いや人類の勝機が見えない。
しょせん自分の魔法力の限界なのか、これが。
長く続いた戦闘による疲弊のためか、焦燥を露にし、行く末を案じはじめたセシリア。
そんな彼女の前に突如、王宮よりの使者の一行が来訪し、目通りを請う者たちがいた。
当初は、王族の一員である彼女を謙ってか、丁重に頭を下げながらこの非常事態故、こうして各々が各地で離散して戦うよりも、王や騎士団、防衛軍らと共同戦線を張る方が有益。そのためにも一度王宮にお越し下さいませんかと、申し出を寄越したのだ。ご丁寧にも若き王の名、ジェラルド・セイルファーディムの勅書を携えて。
だが、彼女はそれを一切ためらわず、ぴしゃりと即座に断る。
非常事態、故にだからこそ、自分はこの地を離れることはできない。現に今こうして話をし続けている間にも…。
セシリアは話の途中ですかさず手を上げ、何もない空間を手刀でなぎ払う仕草を見せる。
すると、今までどこに潜んでいたのか定かではないが、黒い皮膚に覆われた二足歩行の小さなイキモノがすぐに姿を現したのだ。
突然の魔族の出現に、面会人たちは驚きのあまり正座を崩して立ち上がり、中には腰に下げた剣に手をかけようとする者もいたが、当の魔族は「ぴぎゃっ…!」と断末魔の叫びを残しながら、その場でシュン…と一瞬で灰になった。
今のをしかと目に焼き付けたかおまえたち。この鎮守の森で守られているはずの社の中とて、かように魔族の侵略はとどまるところを知らないのだぞ。
そうたきつけるセシリアに対し、使者たちは臆する素振りを見せた。だが、自分たちとてこのまま成果もなく、手ぶらで王宮に戻るわけにもいかないと踏んだらしく、しまいにはとうとう力づくで、実力行使へと及ぶのだった。
彼らは集団一丸となって御簾を取り払い、セシリアの許しも得ていないのに上段に足を上げる。
うぬら…! 気でも狂ったか。…何をする、離せ、イヤじゃ、妾は行かぬと申しておるのに。何ぞおぬしらは聞こえんのか…!
非力ながらも死に物狂いで抵抗するセシリアの手足を問答無用とばかりに数人がかりではがいじめにする。
もちろん魔法を使われたら叶わないと、念には念を入れて、早々に手持ちの薬を鼻にかがせた上で。
極めて効力の高い薬により、セシリアは強制的に眠らせられ、王宮へと連れ戻されることとなる。
それでもなおかつ、薄れゆく意識の下、自分を無理に連れて行こうとする者たちの顔をしかと忘れずに覚えておこう。
そんな決意を胸に秘め、なんとか気力を奮い立たせ、よくよく目を凝らしたとたん、セシリアは驚愕した。
薄暗い社の謁見の間にいた上、彼らとはずっと御簾越しにて会話を続けていたためでもあろう。
彼らを謁見の間に通してから今まで、ちっとも気づかなかったのだが、自分を組み敷く彼らの面子を間近で見た途端、セシリアはハッとした。
自身が育った幼少の頃、王宮内にて顔を合わせ、会話を交わし、よくよく見知っていた連中が揃いも揃ってそこに居並ぶとは一体どういう魂胆か。
かなり上位の官位に就く一部の宮廷付魔法使い及び薬師、あるいは騎士団の手練れたちの面々にセシリアはにわか信じがたく思ったのだった。
しかし、だがそこで、彼女の意識は暗黒の澱みの淵、闇より来たる使者の手の中に堕ち、果てる。
夢も見ないほどの昏睡状態が一晩以上続き、そして彼女に施された薬効が唐突に切れた頃、再び目覚めたのだ。
人為的に施された睡眠の後の寝起きの気分は、快調とは全く言い難く、最悪なことこの上なかった。
だが、彼らから自分への配慮がそれなりになされていたらしく、一応身体が横たわっていたのはやわらかい褥が敷かれた寝台の上だった。
一体全体、どういう災難が我が身に降りかかったというのか。
セシリアは自分が置かれた状況や、今いるこの場所を正確に把握しようと試み、ずきずきと鈍痛が響く頭をゆっくりと動かしてみる。
すると、すぐ。自分の傍らで、一人のうら若き青年が自分を案じるようなまなざしでじっと見下ろしている姿が視界に映りこむのだった。
この者、もしや…?
かつて自身が幼少の頃、王宮内にて常に顔を合わせていたその面影がふっと今の姿と重なる。
女人をも思わせる整った面立ち。りりしく引き締まった眉。すっと通った鼻筋。きりりと結ばれた薄い唇。
今は椅子に座しているようだが、立ち上がって道を歩くだけで誰もがきっと、その体躯の良さと放たれた高貴さにふと振り返ってまじまじと眺め入ってしまうであろう。
彼はそんなカリスマ性をも持つ魅力にあふれた人物だったのだ。
まさか…王? ジェラルド・セイルファーデム?
彼の名をぽつり、つぶやけば、とたん、彼の表情が一変する。
やんわりとまなざしが緩み、口元にふわりと笑みが宿る。
それから、セシリアと。自身の名がやさしい声音で呼ばれた。
セシリア、久しぶりだね。おまえが鎮守の森に居を移してからはずっと対面する機会はなかったが、とても元気そうで何よりだ…。
生まれながらにして王。
魔法の才あふるる王女。
お互いある一定の年齢に達した時から、それぞれに課せられた役割を果たすため、住まいも境遇も完全に分け隔てられて育った兄と妹。
そんな間柄のまま年を重ねて幾星霜。此度の機会を得て叶った二人の突然の再会は、拍子抜けするほどごくなんでもない、日常茶飯事的出来事の範疇に入るような錯覚を覚える程、とてもおだやかなものだった。
しかし、それはただの見せかけにすぎない。
何故ならこれは、最初から仕組まれた裏のある再会劇。妹の魔法力を全て王である兄の元へ集約せんとするがため、国の政を担う者たちが世の理に対し唾棄し、けして許されざる領域を侵そうとすべく執り行うとしていた、末恐ろしい儀式の幕開けだったのだ。
知性に冨み、武力に長け、また国内屈指の魔法力も備わる若き王にして、実の兄でもあるジェラルド。
彼は、横たわったままのセシリアの手をそっと握ると、心からすまないどうか許してくれ、と寝台の上にこすりつけるほど頭を垂れて謝罪を繰り返した。
これはいたしかたのないことなのだ。国を守るため、ひいては人類を救うため、ましておまえの命とて無駄に散らすことなどないためにも、必要不可欠なことなのだから…!
いったい、何事が起ころうというのだ…?
自身が置かれた状況に困惑し、意識を混乱させ、感情までもを混濁し続ける妹。
逼迫したこの場面において、彼女が理性をもって判断することはおろか、感情までもが実に制御不能な状態に陥ったのだった。
何故なら、およそ考えもしない予想もしなかった行動に、ジェラルド王は突如として走ったのだから。
あ、兄上…! な、何をなさいまするか…!
いきなり両手首をがしりとつかまれ、がばりと自身の上に覆いかぶさってくる。そんな彼の口の端からだらりと垂れる唾、それから顔に吹きかかる荒い息遣い。
さらにその目は、かなり血走ってらんらんと輝いている。既に常軌を逸していた。まるで獲物を見つけて狙いを定め、狩こそ我が本能と挑む獰猛な肉食獣のようで、人であって人でなかった。
そう、彼もまた。無理やり王宮に連れてこられたセシリアと同様、何かの薬を一服盛られていたことは実に一目瞭然だったのだ。
イヤ、ダメと声を出して拒否し、自分の上にある彼の身体をどけようともがいて拒絶し、精一杯の抵抗を示すが、しょせん無駄なあがきにすぎなかった。
セシリアはジェラルド王に身体をおさえつけられ、そして――。
何物にも代え難い、破瓜の痛みに襲われるのだった。
その後、はっと我に返ると既に朝を迎えていた。窓から差し込む陽の下で一糸まとわぬ姿のまま、褥の上に寝転がっていた自分に気づくセシリア。
そしてすぐに異変を察して掌を眺め入り、呆然とした。
力が――抜けていたのだ。
自分の中にあったはずの、こんこんと湧き出る泉の如く、拭き上げるマグマ溜りを持つ活火山のように豊かで満ちていく力の源。それが、とうに枯れ尽くして今は名残も形骸もなくなっていたことに。
叫んだ。心の底から。だが、声にならない。声帯が震えない。言葉が言葉として発せられない。
同時に、思い知らされる。力を失ったその代わりに…自身の中にあたたかな塊が、命の種が宿されていたことを。
そうして――また、月日が流れた。
彼女から奪われた力を存分に奮い、若き王は魔族に果敢に立ち向かっていき、そして命からがらなんとか封じることに成功したのだ。
その後、融合したその二つの力は、一つの器にとどまることができず、魔族封じの際に彼の体内から全てが放出し、離散してしまった。
薬師や宮廷魔法使いらがどれほど尽力しても到底それは防げず、さらに王の元来の体力の半分以上も、その際に持っていかれ奪われついにはほとんど失ってしまったのだった。
以来、病に伏せがちとなった王は急遽他国より王妃として迎えた姫君の生命力あふれる魂の力に支えられ、魔法使いや薬師の助けを借りながら、細々ながらも一男三女を成して今日まで生きながらえているという。
こうして文字通り、命を課して国を守った王の働きにより魔族は異界に戻り、人の世に平和と安寧がもたらされた。
しかしそれで全てが終わったわけではなかったのだ。
それこそが、凶事のはじまり。事の発端なのだから。
「…そして妾は自身の内に宿る種ともども地方領主の元に押し付けられ、ここに居をなすことを余儀なくされた。が、幸いなことに命までは取られなかったことだけが唯一の救いじゃった。奪われた力の代わりに宿したこの種すらも搾取されたら、今度こそ妾は生きる屍と化していたことであろうよ」
遠い昔を思い出すのか、セシリアはふっと言葉を途切れさせたが、すぐにまた淡々と舌に言葉をのせはじめた。
「…しかし確かに、あの時の妾はそれに近かった。心が死んでいたともいえよう。声も出ず、物も見ず、口にするものはことごとく皆吐いた。吐瀉物がほとんどなくなり、胃液しか嘔吐するものがなくなっても、ひたすら吐き続けたのじゃ。それでも、ディルナス。おまえはそんな母の胎内であっても日増しに大きくなり、十月十日を経て、こうして無事に生まれてくれたのじゃ」
生まれてくれて、ありがとう。
生きていてくれて、ありがとう。
そうした思いもこめてセシリアは瞳を微笑ませると、静かにディルナスは首を振る。
「私の方こそ母上に感謝いたします。忌まわし業によりて生を成し、罪の証でもあった我だのに、闇から闇へと葬り去らずにこうして命を吹き込んでくだすった。これを感謝と言わずになんといいましょうぞ」
ディルナスの殊勝なる言い分にセシリアは彼をいたわるかのような笑みを浮かべつつ、「しかし、そんな屈辱も今日で終わる」と満足げな顔でうなずいた。
「妾はそちの協力を得て再び日向の道を歩める魔法の力を手に入れたからな。しかも妾が移るのはあの薬師ガルオンの娘…! これはいい! 傑作じゃ…っ! 竜の血筋に連なる娘御というのも願ったり叶ったりであろう。好都合だ」
薬師・ガルオン…。おまえはどんな反応を示すのか実に楽しみだな。そちも人の親なら、我が子はさぞかし手塩にかけて、蝶よ花よと育ててきた大切な一粒種だろうに?
胸中で毒づくセシリアを知ってか知らずしてか、ディルナスはますますもって目を細めながら笑みを強くさせるのだった。
「これからも自分の傍らで未来永劫、生き続けてください、母上」
「無論だとも。…それに、ディルナス。そなたはもう今の日嗣の皇子の背後で日陰の身に甘んじることはないのじゃ。このセレスト・セレスティアン国を継ぐにふさわしい身の上を正々堂々と誇示し、王の位を継承するからには、な」
セシリアはディルナスに向かって喜色満面の笑みを浮かべた。
それはこの屋敷に身を寄せることとなった二十年前から今日に至るまで、ついぞ誰にも見せたことがない程、いたく闊達なものであった。
そんな彼女やディルナスを背後に控えていたミランダがほほえましく見守っていた、その矢先――。
「…はっ。そこで卑しくも盗み見か…? 近頃の若い娘は実に礼儀も知らぬと見える」
急に口調を変えると、低くくぐもった声でセシリアはさっと手を上げて、何かを払うような仕草を示す。その彼女の手の中にはしっかりとティーナの守り石が握られていた。
「……!」
ばあんと勢いよく音を立てて扉が開かれた。するとそこには、今しもその場でへなへなとへたりこむ寸前の状態でがくがくと膝を震わせていたティーナの姿があった。
「ティーナ…! 起きて…?」
「ディルナス…さま。あたし…あたし」
混乱と困惑の色をその瞳に映しながらティーナはすがるような思いで自身と向かい合ったディルナスを熱く見つめた。
彼に抱き上げられて寝室へと運ばれ、寝台の上に寝かされ後、ほぼすぐに両まぶたを閉じ、ゆるゆると眠りの淵を漂っていたティーナだったが、しばらく経った頃、何故かふっと何の前触れもなく目覚めてしまったのだった。そしてすぐに気づく、自分が目覚めたのは、どうも喉がひどく渇いていたせいだということに。
ちょっとお水を一杯、いただいてもいいかしら…。
枕に頭を沈めたままの状態でちらちらと部屋の周囲を見渡してみるものの、この寝所には水の入った水差し一つ、コップすらも無いようだった。
そのためティーナは起き抜けの頭をかぶり振るようにして上体を起こし、いくぶん眠気の残る体をなんとか奮い立たせ、そろりそろりと足を下ろす。そして部屋ばきすらも履かず、ぺたぺたと毛深い絨毯の上を歩いて出入り口の扉の前に立った。
ドアノブに手をかけ、軽く外側に向かって引こうとした、その瞬間――。
扉を開きかけた、ほんの少しの隙間の向こうにティーナは衝撃の事実を目の当たりにしたのだった。
ディルナスがミランダから守り石をつまみあげ、セシリアへそれを渡した、ちょうどその時の様子を。
あれはあたしの…守り石? まさかそんな、あれはちゃんとロータスに、ラズリに預けてきたはず。ディーン先生に確かにお願いして、それに竜の姿のラズリだって預かっているって、言っていた。
いいえ、いいえ。そんなことより、どうしてミランダ先生が。あの時、ディーン先生との争いの果てに次元の裂け目の向こうへと消えて行った、そのはず。
ううん、それよりももっと。何よりも…セシリアさまがここでいったい何を? あたしの守り石を持って、いったい――。
そんなことを思いながらそれ以上歩を進めることは一切叶わず、またピンで留められた昆虫の標本のように身動きひとつできず、ティーナは彼らの会話をその場で聞かされることとなったのだ。
本人の口から次々と明かされる真実の暴露。それに対してにわか信じがたしとティーナは混乱のあまり正気を保つことが困難になりかけた。
嘘よ…そんな…。王様とセシリア様が国を守るために禁を犯して契られた、だなんて。その上、二人の間に生まれた吾子さまがディルナスさまで、さらにそれらの全てを手引きして謀った一味の筆頭にお父さまが加わっていたなんて…!
ぐるぐると埒が明かないまま、ティーナが思考を逡巡させていたまさにその時だった。彼女が扉ごしに存在していることをセシリアに言い当てられたのは。
「薬師ガルオンの娘――ティーナ」
セシリアは低い声音で彼女の名前を呼んだ。ぴくりとティーナの肩が震える。蛇ににらまれた蛙の心境とは、まさにこのことを指すのだろう。セシリアはティーナをどこか蔑んだようなまなざしでちろちろと彼女を視線でねめつけていたのだ。
「何も知らぬままの方がぬしにはよかったか…?」
くすり。セシリアは軽く笑みをもらした。 今しも眼窩から目玉が飛び出そうなほど、驚愕に打ちひしがれるティーナを前にしてまるで彼女をいたわるように、半ば憐れむかのように。
「だが、これもまた運命の皮肉と心得よ。…まあ、良いではないか、こうしてその身に真実をしかと刻んだのだから。己が父親の大罪を娘のおまえが代わりに悔いて購う。…なんとも美しい話じゃないか。…のう?」
「あの…。お父さまが…本当にそんなことを…?」
唾も早、枯れかけた口をぼそぼそと動かしてティーナがつぶやくと、セシリアはやれやれとでも言いたげに吐息をついた。
「娘、妾が嘘偽りなど申して何になろうぞ。あの時、妾と王に盛られた薬の薬効あらかたは名だたる薬師である己が父の腕の確かさあってこそのものに相違なく。…正攻法では、妾が首を縦に振らぬと最初から読んでの卑怯な手口よ」
はんっ。鼻を鳴らして、どこか自嘲めいた口調でさらに続けるセシリア。
「妾にとって敵は、魔族だけではなかったと、そういうことじゃな。しかも王宮内に、身内ともいうべき宮廷付の役職連中らに揃って手を組まれては、何ぞ抗えようか。多勢に無勢じゃ…あきらめる他なかった。――だが」
セシリアは手にしたティーナの守り石を今一度彼女にかざした。
守り石はティーナの手から放たれてはいたが、元来の持ち主たる彼女の近くにあるためか、急に強い光を放って輝きを増す。
「ぬしの力は…ほんに強いのぉ…? 魔法力のすっかり抜けた妾の手にあっても、その威力の巨大さ凄まじきはまこと計り知れぬ程この身にとくと伝わるわ。さすが竜の血に連なる末裔の娘御じゃ。心から礼を言うぞ。生を受けて以後、今日この日まで妾のためにそうして生きながらえていてくれて」
目を細め、セシリアはずいっと一歩ティーナに近づいていった。
セシリアはいったい何をするつもりなのだろうか。
ティーナはとっさに助けを乞う視線をディルナスに向ける。
だが、先ほど彼が自分に対して行った無上のやさしさといたわりと慈愛など、今は露ほども感じさせない素振りでただこちらの様子をうかがうのみ。
ひたすらおだやかで人当たりの良さそうな笑みを口元に浮かべてはいたが、その瞳の青の色は極めて涼やかに澄み渡り、彼女に向けるまなざしは酷薄この上ないほど非常に冷徹さで満ちていたのだった。
ミランダ…先生!
ティーナはさらに視線をずらして、彼らの背後に控えるようにして立つ彼女に救いの手を求めた。藁をもすがる思いだった。
かつて自分やラズリ、アガシに対しても冷酷非道な振る舞いを躊躇なく行ったことなど、この際かなぐり捨てて希求した最後のツテだった。
だが、彼女とて先の二人と同様、何ら態度に変化はなかった。
いやそれよりも、早く事が無事になされれば良いとでも願っているのだろうか。そんな節がうかがえるほど、好奇あふるる表情を示すばかりだったのだ。
「あ…あ…。たす…け…て…」
恐ろしさを隠しきれない面持ちでティーナは振り返りもせず背後に後ずさった。だが、足がもつれてそのままぺたりと床に尻餅をついてしまう。すぐに立ち上がろうと試みてみるものの、腕も足も底知れぬ恐怖を感じて力がひとつも入らない。
ディーン先生、先生…!
とっさにティーナは思い出してポケットをまさぐり、例の胡桃を探そうとするも、身に着けている服がそもそも違うことにハッとし、自分に策が尽きたことを思い知らされるだけだった。
カレン、セレ…! アガシ! お父さま、お母さま…!
自分が知るありったけの人の顔が浮かんでは消えていく。その名前を次々と呼んで助けを乞うても、誰も自分の元へとは来やしない。
そんな当たり前のことなど、はなからわかってはいることだったが、それでもティーナはやめられなかった。
――ラズリ…!
特に、今いちばん会いたい、そばにいてほしい、そう本心から請い願う、ただ一人の彼を強く強く、狂おしいばかりに求めることを。
ラズリ、ラズリ、ラズリ…! 助けて、助けてっ。お願い…!
「その御身、妾が貰い受けた。ぬしに代わって妾が有効に活用し、人生を全うしてやろう。…ありがたく思うがいい」
ティーナの姿を見下ろす位置にセシリアは立ち、きゅっと唇をつりあげ、目を細めさせると、どこまでも暗い笑みを彼女に向けるのだった。
「ディルナスさま、失礼いたします」
何の前触れもなく、出入り口の扉がこつこつとノックされた。
扉一枚隔てた向こうから部屋の主である彼から入室の許可を得て、召使いの彼女はガチャリと取っ手を回し、室内へと足を踏み入れる。
「ご所望のティーナさまの代わりのお召し物をお持ちいたしまし…。――え」
言いかけ、そこで身をすくめるようにして固まる。
彼女の目の前には土汚れがついたままの白い衣服を身につけていたティーナが、ディルナスの傍らに立ち、こちら側に立つ自分に気づいたと見え、即座に振り返ったからだった。
「ティーナ…さま?」
「うわあ、私の着替えを持って来て下さったの? ありがとう。とても助かったわ」
にこりと屈託ない笑みを浮かべ、ティーナは召使いの彼女から替えの衣服や下着を受け取った。
「もぉ、こんな成りじゃお屋敷内のどこにも恥ずかしくて歩けないところだったんですもの。ディルナスさまがとっさにお部屋に連れてきてくださったから、こうして事なきを得たけど、そうでなかったら私…」
「そんな礼には及ばないよ。君は僕がお招きした大切なお客様なんだ。屋敷の主である父に代わって手厚くもてなしを施すのは当然だからね。そう臆することはない」
「でも……」
「さあさ、御託はもういいから早くシャワーを浴びて着替えておいて。…そうだね、なんなら僕が手伝ってあげてもいいんだよ?」
「えええええっ! そそそ、それは…! あ、あのあの。えとえと、お気持ちはとってもありがたいのですが、こここ、心から遠慮させていただきますです、ハイ」
かーっと顔を茹で蛸のように赤らめたティーナはしどろもどろになりつつも、着替えをぎゅっと抱きかかえながら、ずりずりと床をすらせるように後ろ足で進んだが、ある地点まで来たところでくるりと踵を変え、小走り気味に寝室奥に備えられている浴室へと駆けこんで行くのだった。
そんな彼女の背を見送りながら、ディルナスはくすりと笑みをこぼした。つられて召使いの彼女も頬をゆるめる。
屋敷内には大きな間取りの上、豪華な室内装飾の施されている大浴場がちゃんと設けられているのだが、デヴォンシャー公をはじめとする一家の自室や客間などの主要部屋にはそれぞれ簡易ではあるが専用のバスがきちんと備え付けられているのだった。
「メリッサ、君もご苦労さま。…それで、もうひとつ頼みといってはなんだけど」
「…はい?」
「今度はこっちをお願いできないかな?」
くいと顔の向きを変えたディルナスの指し示す方向へ、一緒に視線を変えた彼女は「あ」と小さな驚きの声を発して、慌てて口元に手を当てた。
「セシリア…様? いったいどうしてここに」
彼女の言う通り、ソファに身を横たえたセシリアは目を閉じてくうくうと寝息を立てながら眠り込んでいたのだった。
「さあ。どうも僕にもわからないな。母上は急にずかずかと部屋にやって来てひとしきり騒ぎはじめるのかと思ったら、いつの間にやらそこで船を漕ぎ出しはじめたからね…」
いつもの気まぐれにもほどがある、と言いたそうにディルナスは軽く肩をすくめるが、それでもその目は至って温和で慈愛に満ちており、ちっとも嫌そうな素振りには見えなかった。
身内であるが故の、親愛の情を込めた軽い揶揄を含んだ物言いから自然に漏れた不平だろうな。
即座にそう気づいた彼女は、ディルナスに抱いた感情を包み隠さず露にした笑顔で、うんうんとうなずくのだった。
「それじゃ私がお部屋にお連れいたしますね」
「大丈夫かな? 君一人で。僕も手伝おうか」
「いいえ、おかまいなく。どうぞお任せを。これでもけっこう体力には自信がございますの性質ですので」
よいしょっと。掛け声をかけながらメリッサはセシリアの腕を自分の肩に回し、その腰をがっちりと抱きかかえて律して立たせた。
熟睡した人間というのはかなりずっしりと重たくなるのが相場だが、セシリアはずいぶん小柄な上かなり細身でもあったので、さほど彼女の負担にはならずに済みそうだった。
「すまないね。何から何まで君にお任せしてしまって」
せめてもの手助けとばかりにディルナスは彼女の先に立って、出入り口の扉を大きく開いて通行しやすくする。
「とんでもないことでございますわ。どうぞディルナスさまはティーナさまについていてさしあげてくださいませ」
何しろ大切な、我が屋敷のお客さまでございますから。
ディルナスの気遣いに呼応するかのように彼女は目を細めて笑みを浮かべ、セシリアを抱きかかえたまま軽く会釈を交わした。
「それではごめんくださいませ。また何か別の御用向きがございますればどうぞ何なりとこの私にお申し付けの程を」
最後まで忠実なる僕そのものといった態度でその場を後にした彼女をディルナスは先ほどと同じように見送った後、やがてぱたりと扉を閉めて自室の中央へと顔を向ける。
「…どうやら、僕よりも母上の方が演技賞物かもしれないな」
低くつぶやいたディルナスの押さえた声音はこれまでになく黒く歪んでいたが、それを耳にしたのは彼の内側に潜む例の妖しの存在だけだった。
しかし彼は今度もやはり特に反応を見せず、ただひたすら、じっと黙してディルナスの動向を見守るにすぎなかった。
ディルナスは何の気なしにふっと窓の外を見やった。
二階から見える景色の向こうは、遠く広がる領地の庭やら畑やら森やら。
そしてそれらとの境を区切るよう、どこまでも広がる空の存在があった。
ディルナスはそんな風景を眺めながら、そっとつぶやくのだった。
「――さあ。いよいよあの空の色を曇らせよう」
そしてその持てる力全てを注ぎて成した複雑な構文を組み合わせた魔法陣を黙々と描き続けながら、魔族への徹底抗戦を貫いていたのだった。
国内外にはびこり、建造物や自然を破壊し、無差別に人に襲いかかる魔族ども。奴らを一体ずつその布陣にて封じては、また一体。それを飽くなく繰り返すいう、かなり根気がいるだけでなく、気の遠くなるような作業をずっとこなしながら。
ひとたび、手を抜けば。
ほんの少しでも気を許せば。
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どうしたらいい。
どうすればいい。
このままではちっとも埒が明かない。
自身の、いや人類の勝機が見えない。
しょせん自分の魔法力の限界なのか、これが。
長く続いた戦闘による疲弊のためか、焦燥を露にし、行く末を案じはじめたセシリア。
そんな彼女の前に突如、王宮よりの使者の一行が来訪し、目通りを請う者たちがいた。
当初は、王族の一員である彼女を謙ってか、丁重に頭を下げながらこの非常事態故、こうして各々が各地で離散して戦うよりも、王や騎士団、防衛軍らと共同戦線を張る方が有益。そのためにも一度王宮にお越し下さいませんかと、申し出を寄越したのだ。ご丁寧にも若き王の名、ジェラルド・セイルファーディムの勅書を携えて。
だが、彼女はそれを一切ためらわず、ぴしゃりと即座に断る。
非常事態、故にだからこそ、自分はこの地を離れることはできない。現に今こうして話をし続けている間にも…。
セシリアは話の途中ですかさず手を上げ、何もない空間を手刀でなぎ払う仕草を見せる。
すると、今までどこに潜んでいたのか定かではないが、黒い皮膚に覆われた二足歩行の小さなイキモノがすぐに姿を現したのだ。
突然の魔族の出現に、面会人たちは驚きのあまり正座を崩して立ち上がり、中には腰に下げた剣に手をかけようとする者もいたが、当の魔族は「ぴぎゃっ…!」と断末魔の叫びを残しながら、その場でシュン…と一瞬で灰になった。
今のをしかと目に焼き付けたかおまえたち。この鎮守の森で守られているはずの社の中とて、かように魔族の侵略はとどまるところを知らないのだぞ。
そうたきつけるセシリアに対し、使者たちは臆する素振りを見せた。だが、自分たちとてこのまま成果もなく、手ぶらで王宮に戻るわけにもいかないと踏んだらしく、しまいにはとうとう力づくで、実力行使へと及ぶのだった。
彼らは集団一丸となって御簾を取り払い、セシリアの許しも得ていないのに上段に足を上げる。
うぬら…! 気でも狂ったか。…何をする、離せ、イヤじゃ、妾は行かぬと申しておるのに。何ぞおぬしらは聞こえんのか…!
非力ながらも死に物狂いで抵抗するセシリアの手足を問答無用とばかりに数人がかりではがいじめにする。
もちろん魔法を使われたら叶わないと、念には念を入れて、早々に手持ちの薬を鼻にかがせた上で。
極めて効力の高い薬により、セシリアは強制的に眠らせられ、王宮へと連れ戻されることとなる。
それでもなおかつ、薄れゆく意識の下、自分を無理に連れて行こうとする者たちの顔をしかと忘れずに覚えておこう。
そんな決意を胸に秘め、なんとか気力を奮い立たせ、よくよく目を凝らしたとたん、セシリアは驚愕した。
薄暗い社の謁見の間にいた上、彼らとはずっと御簾越しにて会話を続けていたためでもあろう。
彼らを謁見の間に通してから今まで、ちっとも気づかなかったのだが、自分を組み敷く彼らの面子を間近で見た途端、セシリアはハッとした。
自身が育った幼少の頃、王宮内にて顔を合わせ、会話を交わし、よくよく見知っていた連中が揃いも揃ってそこに居並ぶとは一体どういう魂胆か。
かなり上位の官位に就く一部の宮廷付魔法使い及び薬師、あるいは騎士団の手練れたちの面々にセシリアはにわか信じがたく思ったのだった。
しかし、だがそこで、彼女の意識は暗黒の澱みの淵、闇より来たる使者の手の中に堕ち、果てる。
夢も見ないほどの昏睡状態が一晩以上続き、そして彼女に施された薬効が唐突に切れた頃、再び目覚めたのだ。
人為的に施された睡眠の後の寝起きの気分は、快調とは全く言い難く、最悪なことこの上なかった。
だが、彼らから自分への配慮がそれなりになされていたらしく、一応身体が横たわっていたのはやわらかい褥が敷かれた寝台の上だった。
一体全体、どういう災難が我が身に降りかかったというのか。
セシリアは自分が置かれた状況や、今いるこの場所を正確に把握しようと試み、ずきずきと鈍痛が響く頭をゆっくりと動かしてみる。
すると、すぐ。自分の傍らで、一人のうら若き青年が自分を案じるようなまなざしでじっと見下ろしている姿が視界に映りこむのだった。
この者、もしや…?
かつて自身が幼少の頃、王宮内にて常に顔を合わせていたその面影がふっと今の姿と重なる。
女人をも思わせる整った面立ち。りりしく引き締まった眉。すっと通った鼻筋。きりりと結ばれた薄い唇。
今は椅子に座しているようだが、立ち上がって道を歩くだけで誰もがきっと、その体躯の良さと放たれた高貴さにふと振り返ってまじまじと眺め入ってしまうであろう。
彼はそんなカリスマ性をも持つ魅力にあふれた人物だったのだ。
まさか…王? ジェラルド・セイルファーデム?
彼の名をぽつり、つぶやけば、とたん、彼の表情が一変する。
やんわりとまなざしが緩み、口元にふわりと笑みが宿る。
それから、セシリアと。自身の名がやさしい声音で呼ばれた。
セシリア、久しぶりだね。おまえが鎮守の森に居を移してからはずっと対面する機会はなかったが、とても元気そうで何よりだ…。
生まれながらにして王。
魔法の才あふるる王女。
お互いある一定の年齢に達した時から、それぞれに課せられた役割を果たすため、住まいも境遇も完全に分け隔てられて育った兄と妹。
そんな間柄のまま年を重ねて幾星霜。此度の機会を得て叶った二人の突然の再会は、拍子抜けするほどごくなんでもない、日常茶飯事的出来事の範疇に入るような錯覚を覚える程、とてもおだやかなものだった。
しかし、それはただの見せかけにすぎない。
何故ならこれは、最初から仕組まれた裏のある再会劇。妹の魔法力を全て王である兄の元へ集約せんとするがため、国の政を担う者たちが世の理に対し唾棄し、けして許されざる領域を侵そうとすべく執り行うとしていた、末恐ろしい儀式の幕開けだったのだ。
知性に冨み、武力に長け、また国内屈指の魔法力も備わる若き王にして、実の兄でもあるジェラルド。
彼は、横たわったままのセシリアの手をそっと握ると、心からすまないどうか許してくれ、と寝台の上にこすりつけるほど頭を垂れて謝罪を繰り返した。
これはいたしかたのないことなのだ。国を守るため、ひいては人類を救うため、ましておまえの命とて無駄に散らすことなどないためにも、必要不可欠なことなのだから…!
いったい、何事が起ころうというのだ…?
自身が置かれた状況に困惑し、意識を混乱させ、感情までもを混濁し続ける妹。
逼迫したこの場面において、彼女が理性をもって判断することはおろか、感情までもが実に制御不能な状態に陥ったのだった。
何故なら、およそ考えもしない予想もしなかった行動に、ジェラルド王は突如として走ったのだから。
あ、兄上…! な、何をなさいまするか…!
いきなり両手首をがしりとつかまれ、がばりと自身の上に覆いかぶさってくる。そんな彼の口の端からだらりと垂れる唾、それから顔に吹きかかる荒い息遣い。
さらにその目は、かなり血走ってらんらんと輝いている。既に常軌を逸していた。まるで獲物を見つけて狙いを定め、狩こそ我が本能と挑む獰猛な肉食獣のようで、人であって人でなかった。
そう、彼もまた。無理やり王宮に連れてこられたセシリアと同様、何かの薬を一服盛られていたことは実に一目瞭然だったのだ。
イヤ、ダメと声を出して拒否し、自分の上にある彼の身体をどけようともがいて拒絶し、精一杯の抵抗を示すが、しょせん無駄なあがきにすぎなかった。
セシリアはジェラルド王に身体をおさえつけられ、そして――。
何物にも代え難い、破瓜の痛みに襲われるのだった。
その後、はっと我に返ると既に朝を迎えていた。窓から差し込む陽の下で一糸まとわぬ姿のまま、褥の上に寝転がっていた自分に気づくセシリア。
そしてすぐに異変を察して掌を眺め入り、呆然とした。
力が――抜けていたのだ。
自分の中にあったはずの、こんこんと湧き出る泉の如く、拭き上げるマグマ溜りを持つ活火山のように豊かで満ちていく力の源。それが、とうに枯れ尽くして今は名残も形骸もなくなっていたことに。
叫んだ。心の底から。だが、声にならない。声帯が震えない。言葉が言葉として発せられない。
同時に、思い知らされる。力を失ったその代わりに…自身の中にあたたかな塊が、命の種が宿されていたことを。
そうして――また、月日が流れた。
彼女から奪われた力を存分に奮い、若き王は魔族に果敢に立ち向かっていき、そして命からがらなんとか封じることに成功したのだ。
その後、融合したその二つの力は、一つの器にとどまることができず、魔族封じの際に彼の体内から全てが放出し、離散してしまった。
薬師や宮廷魔法使いらがどれほど尽力しても到底それは防げず、さらに王の元来の体力の半分以上も、その際に持っていかれ奪われついにはほとんど失ってしまったのだった。
以来、病に伏せがちとなった王は急遽他国より王妃として迎えた姫君の生命力あふれる魂の力に支えられ、魔法使いや薬師の助けを借りながら、細々ながらも一男三女を成して今日まで生きながらえているという。
こうして文字通り、命を課して国を守った王の働きにより魔族は異界に戻り、人の世に平和と安寧がもたらされた。
しかしそれで全てが終わったわけではなかったのだ。
それこそが、凶事のはじまり。事の発端なのだから。
「…そして妾は自身の内に宿る種ともども地方領主の元に押し付けられ、ここに居をなすことを余儀なくされた。が、幸いなことに命までは取られなかったことだけが唯一の救いじゃった。奪われた力の代わりに宿したこの種すらも搾取されたら、今度こそ妾は生きる屍と化していたことであろうよ」
遠い昔を思い出すのか、セシリアはふっと言葉を途切れさせたが、すぐにまた淡々と舌に言葉をのせはじめた。
「…しかし確かに、あの時の妾はそれに近かった。心が死んでいたともいえよう。声も出ず、物も見ず、口にするものはことごとく皆吐いた。吐瀉物がほとんどなくなり、胃液しか嘔吐するものがなくなっても、ひたすら吐き続けたのじゃ。それでも、ディルナス。おまえはそんな母の胎内であっても日増しに大きくなり、十月十日を経て、こうして無事に生まれてくれたのじゃ」
生まれてくれて、ありがとう。
生きていてくれて、ありがとう。
そうした思いもこめてセシリアは瞳を微笑ませると、静かにディルナスは首を振る。
「私の方こそ母上に感謝いたします。忌まわし業によりて生を成し、罪の証でもあった我だのに、闇から闇へと葬り去らずにこうして命を吹き込んでくだすった。これを感謝と言わずになんといいましょうぞ」
ディルナスの殊勝なる言い分にセシリアは彼をいたわるかのような笑みを浮かべつつ、「しかし、そんな屈辱も今日で終わる」と満足げな顔でうなずいた。
「妾はそちの協力を得て再び日向の道を歩める魔法の力を手に入れたからな。しかも妾が移るのはあの薬師ガルオンの娘…! これはいい! 傑作じゃ…っ! 竜の血筋に連なる娘御というのも願ったり叶ったりであろう。好都合だ」
薬師・ガルオン…。おまえはどんな反応を示すのか実に楽しみだな。そちも人の親なら、我が子はさぞかし手塩にかけて、蝶よ花よと育ててきた大切な一粒種だろうに?
胸中で毒づくセシリアを知ってか知らずしてか、ディルナスはますますもって目を細めながら笑みを強くさせるのだった。
「これからも自分の傍らで未来永劫、生き続けてください、母上」
「無論だとも。…それに、ディルナス。そなたはもう今の日嗣の皇子の背後で日陰の身に甘んじることはないのじゃ。このセレスト・セレスティアン国を継ぐにふさわしい身の上を正々堂々と誇示し、王の位を継承するからには、な」
セシリアはディルナスに向かって喜色満面の笑みを浮かべた。
それはこの屋敷に身を寄せることとなった二十年前から今日に至るまで、ついぞ誰にも見せたことがない程、いたく闊達なものであった。
そんな彼女やディルナスを背後に控えていたミランダがほほえましく見守っていた、その矢先――。
「…はっ。そこで卑しくも盗み見か…? 近頃の若い娘は実に礼儀も知らぬと見える」
急に口調を変えると、低くくぐもった声でセシリアはさっと手を上げて、何かを払うような仕草を示す。その彼女の手の中にはしっかりとティーナの守り石が握られていた。
「……!」
ばあんと勢いよく音を立てて扉が開かれた。するとそこには、今しもその場でへなへなとへたりこむ寸前の状態でがくがくと膝を震わせていたティーナの姿があった。
「ティーナ…! 起きて…?」
「ディルナス…さま。あたし…あたし」
混乱と困惑の色をその瞳に映しながらティーナはすがるような思いで自身と向かい合ったディルナスを熱く見つめた。
彼に抱き上げられて寝室へと運ばれ、寝台の上に寝かされ後、ほぼすぐに両まぶたを閉じ、ゆるゆると眠りの淵を漂っていたティーナだったが、しばらく経った頃、何故かふっと何の前触れもなく目覚めてしまったのだった。そしてすぐに気づく、自分が目覚めたのは、どうも喉がひどく渇いていたせいだということに。
ちょっとお水を一杯、いただいてもいいかしら…。
枕に頭を沈めたままの状態でちらちらと部屋の周囲を見渡してみるものの、この寝所には水の入った水差し一つ、コップすらも無いようだった。
そのためティーナは起き抜けの頭をかぶり振るようにして上体を起こし、いくぶん眠気の残る体をなんとか奮い立たせ、そろりそろりと足を下ろす。そして部屋ばきすらも履かず、ぺたぺたと毛深い絨毯の上を歩いて出入り口の扉の前に立った。
ドアノブに手をかけ、軽く外側に向かって引こうとした、その瞬間――。
扉を開きかけた、ほんの少しの隙間の向こうにティーナは衝撃の事実を目の当たりにしたのだった。
ディルナスがミランダから守り石をつまみあげ、セシリアへそれを渡した、ちょうどその時の様子を。
あれはあたしの…守り石? まさかそんな、あれはちゃんとロータスに、ラズリに預けてきたはず。ディーン先生に確かにお願いして、それに竜の姿のラズリだって預かっているって、言っていた。
いいえ、いいえ。そんなことより、どうしてミランダ先生が。あの時、ディーン先生との争いの果てに次元の裂け目の向こうへと消えて行った、そのはず。
ううん、それよりももっと。何よりも…セシリアさまがここでいったい何を? あたしの守り石を持って、いったい――。
そんなことを思いながらそれ以上歩を進めることは一切叶わず、またピンで留められた昆虫の標本のように身動きひとつできず、ティーナは彼らの会話をその場で聞かされることとなったのだ。
本人の口から次々と明かされる真実の暴露。それに対してにわか信じがたしとティーナは混乱のあまり正気を保つことが困難になりかけた。
嘘よ…そんな…。王様とセシリア様が国を守るために禁を犯して契られた、だなんて。その上、二人の間に生まれた吾子さまがディルナスさまで、さらにそれらの全てを手引きして謀った一味の筆頭にお父さまが加わっていたなんて…!
ぐるぐると埒が明かないまま、ティーナが思考を逡巡させていたまさにその時だった。彼女が扉ごしに存在していることをセシリアに言い当てられたのは。
「薬師ガルオンの娘――ティーナ」
セシリアは低い声音で彼女の名前を呼んだ。ぴくりとティーナの肩が震える。蛇ににらまれた蛙の心境とは、まさにこのことを指すのだろう。セシリアはティーナをどこか蔑んだようなまなざしでちろちろと彼女を視線でねめつけていたのだ。
「何も知らぬままの方がぬしにはよかったか…?」
くすり。セシリアは軽く笑みをもらした。 今しも眼窩から目玉が飛び出そうなほど、驚愕に打ちひしがれるティーナを前にしてまるで彼女をいたわるように、半ば憐れむかのように。
「だが、これもまた運命の皮肉と心得よ。…まあ、良いではないか、こうしてその身に真実をしかと刻んだのだから。己が父親の大罪を娘のおまえが代わりに悔いて購う。…なんとも美しい話じゃないか。…のう?」
「あの…。お父さまが…本当にそんなことを…?」
唾も早、枯れかけた口をぼそぼそと動かしてティーナがつぶやくと、セシリアはやれやれとでも言いたげに吐息をついた。
「娘、妾が嘘偽りなど申して何になろうぞ。あの時、妾と王に盛られた薬の薬効あらかたは名だたる薬師である己が父の腕の確かさあってこそのものに相違なく。…正攻法では、妾が首を縦に振らぬと最初から読んでの卑怯な手口よ」
はんっ。鼻を鳴らして、どこか自嘲めいた口調でさらに続けるセシリア。
「妾にとって敵は、魔族だけではなかったと、そういうことじゃな。しかも王宮内に、身内ともいうべき宮廷付の役職連中らに揃って手を組まれては、何ぞ抗えようか。多勢に無勢じゃ…あきらめる他なかった。――だが」
セシリアは手にしたティーナの守り石を今一度彼女にかざした。
守り石はティーナの手から放たれてはいたが、元来の持ち主たる彼女の近くにあるためか、急に強い光を放って輝きを増す。
「ぬしの力は…ほんに強いのぉ…? 魔法力のすっかり抜けた妾の手にあっても、その威力の巨大さ凄まじきはまこと計り知れぬ程この身にとくと伝わるわ。さすが竜の血に連なる末裔の娘御じゃ。心から礼を言うぞ。生を受けて以後、今日この日まで妾のためにそうして生きながらえていてくれて」
目を細め、セシリアはずいっと一歩ティーナに近づいていった。
セシリアはいったい何をするつもりなのだろうか。
ティーナはとっさに助けを乞う視線をディルナスに向ける。
だが、先ほど彼が自分に対して行った無上のやさしさといたわりと慈愛など、今は露ほども感じさせない素振りでただこちらの様子をうかがうのみ。
ひたすらおだやかで人当たりの良さそうな笑みを口元に浮かべてはいたが、その瞳の青の色は極めて涼やかに澄み渡り、彼女に向けるまなざしは酷薄この上ないほど非常に冷徹さで満ちていたのだった。
ミランダ…先生!
ティーナはさらに視線をずらして、彼らの背後に控えるようにして立つ彼女に救いの手を求めた。藁をもすがる思いだった。
かつて自分やラズリ、アガシに対しても冷酷非道な振る舞いを躊躇なく行ったことなど、この際かなぐり捨てて希求した最後のツテだった。
だが、彼女とて先の二人と同様、何ら態度に変化はなかった。
いやそれよりも、早く事が無事になされれば良いとでも願っているのだろうか。そんな節がうかがえるほど、好奇あふるる表情を示すばかりだったのだ。
「あ…あ…。たす…け…て…」
恐ろしさを隠しきれない面持ちでティーナは振り返りもせず背後に後ずさった。だが、足がもつれてそのままぺたりと床に尻餅をついてしまう。すぐに立ち上がろうと試みてみるものの、腕も足も底知れぬ恐怖を感じて力がひとつも入らない。
ディーン先生、先生…!
とっさにティーナは思い出してポケットをまさぐり、例の胡桃を探そうとするも、身に着けている服がそもそも違うことにハッとし、自分に策が尽きたことを思い知らされるだけだった。
カレン、セレ…! アガシ! お父さま、お母さま…!
自分が知るありったけの人の顔が浮かんでは消えていく。その名前を次々と呼んで助けを乞うても、誰も自分の元へとは来やしない。
そんな当たり前のことなど、はなからわかってはいることだったが、それでもティーナはやめられなかった。
――ラズリ…!
特に、今いちばん会いたい、そばにいてほしい、そう本心から請い願う、ただ一人の彼を強く強く、狂おしいばかりに求めることを。
ラズリ、ラズリ、ラズリ…! 助けて、助けてっ。お願い…!
「その御身、妾が貰い受けた。ぬしに代わって妾が有効に活用し、人生を全うしてやろう。…ありがたく思うがいい」
ティーナの姿を見下ろす位置にセシリアは立ち、きゅっと唇をつりあげ、目を細めさせると、どこまでも暗い笑みを彼女に向けるのだった。
♪♪♪
「ディルナスさま、失礼いたします」
何の前触れもなく、出入り口の扉がこつこつとノックされた。
扉一枚隔てた向こうから部屋の主である彼から入室の許可を得て、召使いの彼女はガチャリと取っ手を回し、室内へと足を踏み入れる。
「ご所望のティーナさまの代わりのお召し物をお持ちいたしまし…。――え」
言いかけ、そこで身をすくめるようにして固まる。
彼女の目の前には土汚れがついたままの白い衣服を身につけていたティーナが、ディルナスの傍らに立ち、こちら側に立つ自分に気づいたと見え、即座に振り返ったからだった。
「ティーナ…さま?」
「うわあ、私の着替えを持って来て下さったの? ありがとう。とても助かったわ」
にこりと屈託ない笑みを浮かべ、ティーナは召使いの彼女から替えの衣服や下着を受け取った。
「もぉ、こんな成りじゃお屋敷内のどこにも恥ずかしくて歩けないところだったんですもの。ディルナスさまがとっさにお部屋に連れてきてくださったから、こうして事なきを得たけど、そうでなかったら私…」
「そんな礼には及ばないよ。君は僕がお招きした大切なお客様なんだ。屋敷の主である父に代わって手厚くもてなしを施すのは当然だからね。そう臆することはない」
「でも……」
「さあさ、御託はもういいから早くシャワーを浴びて着替えておいて。…そうだね、なんなら僕が手伝ってあげてもいいんだよ?」
「えええええっ! そそそ、それは…! あ、あのあの。えとえと、お気持ちはとってもありがたいのですが、こここ、心から遠慮させていただきますです、ハイ」
かーっと顔を茹で蛸のように赤らめたティーナはしどろもどろになりつつも、着替えをぎゅっと抱きかかえながら、ずりずりと床をすらせるように後ろ足で進んだが、ある地点まで来たところでくるりと踵を変え、小走り気味に寝室奥に備えられている浴室へと駆けこんで行くのだった。
そんな彼女の背を見送りながら、ディルナスはくすりと笑みをこぼした。つられて召使いの彼女も頬をゆるめる。
屋敷内には大きな間取りの上、豪華な室内装飾の施されている大浴場がちゃんと設けられているのだが、デヴォンシャー公をはじめとする一家の自室や客間などの主要部屋にはそれぞれ簡易ではあるが専用のバスがきちんと備え付けられているのだった。
「メリッサ、君もご苦労さま。…それで、もうひとつ頼みといってはなんだけど」
「…はい?」
「今度はこっちをお願いできないかな?」
くいと顔の向きを変えたディルナスの指し示す方向へ、一緒に視線を変えた彼女は「あ」と小さな驚きの声を発して、慌てて口元に手を当てた。
「セシリア…様? いったいどうしてここに」
彼女の言う通り、ソファに身を横たえたセシリアは目を閉じてくうくうと寝息を立てながら眠り込んでいたのだった。
「さあ。どうも僕にもわからないな。母上は急にずかずかと部屋にやって来てひとしきり騒ぎはじめるのかと思ったら、いつの間にやらそこで船を漕ぎ出しはじめたからね…」
いつもの気まぐれにもほどがある、と言いたそうにディルナスは軽く肩をすくめるが、それでもその目は至って温和で慈愛に満ちており、ちっとも嫌そうな素振りには見えなかった。
身内であるが故の、親愛の情を込めた軽い揶揄を含んだ物言いから自然に漏れた不平だろうな。
即座にそう気づいた彼女は、ディルナスに抱いた感情を包み隠さず露にした笑顔で、うんうんとうなずくのだった。
「それじゃ私がお部屋にお連れいたしますね」
「大丈夫かな? 君一人で。僕も手伝おうか」
「いいえ、おかまいなく。どうぞお任せを。これでもけっこう体力には自信がございますの性質ですので」
よいしょっと。掛け声をかけながらメリッサはセシリアの腕を自分の肩に回し、その腰をがっちりと抱きかかえて律して立たせた。
熟睡した人間というのはかなりずっしりと重たくなるのが相場だが、セシリアはずいぶん小柄な上かなり細身でもあったので、さほど彼女の負担にはならずに済みそうだった。
「すまないね。何から何まで君にお任せしてしまって」
せめてもの手助けとばかりにディルナスは彼女の先に立って、出入り口の扉を大きく開いて通行しやすくする。
「とんでもないことでございますわ。どうぞディルナスさまはティーナさまについていてさしあげてくださいませ」
何しろ大切な、我が屋敷のお客さまでございますから。
ディルナスの気遣いに呼応するかのように彼女は目を細めて笑みを浮かべ、セシリアを抱きかかえたまま軽く会釈を交わした。
「それではごめんくださいませ。また何か別の御用向きがございますればどうぞ何なりとこの私にお申し付けの程を」
最後まで忠実なる僕そのものといった態度でその場を後にした彼女をディルナスは先ほどと同じように見送った後、やがてぱたりと扉を閉めて自室の中央へと顔を向ける。
「…どうやら、僕よりも母上の方が演技賞物かもしれないな」
低くつぶやいたディルナスの押さえた声音はこれまでになく黒く歪んでいたが、それを耳にしたのは彼の内側に潜む例の妖しの存在だけだった。
しかし彼は今度もやはり特に反応を見せず、ただひたすら、じっと黙してディルナスの動向を見守るにすぎなかった。
ディルナスは何の気なしにふっと窓の外を見やった。
二階から見える景色の向こうは、遠く広がる領地の庭やら畑やら森やら。
そしてそれらとの境を区切るよう、どこまでも広がる空の存在があった。
ディルナスはそんな風景を眺めながら、そっとつぶやくのだった。
「――さあ。いよいよあの空の色を曇らせよう」
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ティーナ危機一発!
一発どころか、現在進行中で危機が続行中です。
セシリア、ディルナス親子がとうとう真の姿を現し、いよいよセシリアとジェラルドの真相も明らかになったりと、転の章にふさわしい展開ですね!
それにしてもティーナが…。
早くラズリ助けてあげて!と言いたいところですが、ラズリもラズリで大変なことになっているんだろうなあ…。
もうこのまま、ラストまでやまのさんにお願いしたいところです(^^;)
なにはともあれ、この続きを楽しみにしています♪
セシリア、ディルナス親子がとうとう真の姿を現し、いよいよセシリアとジェラルドの真相も明らかになったりと、転の章にふさわしい展開ですね!
それにしてもティーナが…。
早くラズリ助けてあげて!と言いたいところですが、ラズリもラズリで大変なことになっているんだろうなあ…。
もうこのまま、ラストまでやまのさんにお願いしたいところです(^^;)
なにはともあれ、この続きを楽しみにしています♪
結の章ですよ(笑)
いさなさんご覧くださいましてありがとうございました~
ぶっちゃけ、こんな悲惨な目にヒロイン遭わせる作者なんてどんだけド・S!って感じですが…(^^ゞ
きっとラズリが助けてくれるYO!って思うので。(え。それ誰が書くのやっぱり私かにゃ~)
そんでもってきっと最後はラズリとティーナが手を合わせて「バルス!」って言うんだよ、と先日のお茶会でふざけて話しておりましたが、でもあれすごく便利なので、きっとリセーーーット!の魔法だよなあとかなんとか。
でも絶対どんなことがあってもギアス24・25話みたいに「二期をお楽しみに!」的な引きとか、「そして二人は新たな冒険へと旅立つのだった」(長らくのご愛読ありがとうございました)というおざんぷ(笑・つーか私的にはそのエンディング「サザンアイズ」でやられてしまって正直ごっつ引いた…; なので最終巻まで買ってないんだ本当に!)的まとめにはしたくないと思っておりますvv
せめて映画「ゲ○戦記」並に、お約束展開だけどまあそれが無難よね…という程度まではもっていけたらと。
魔族がじわりじわりと姿形なき“無”で人の世界を侵略することに対し、竜に頼るらねばならないという流れというのはある意味、人の手ではどうしようもないことだからもっと高次の存在にすべてを委ねて解決してもらおう、というのはちと卑怯な気もしますのでね。。。
もちょっと安易に流れるのではなく、なんとかならないものかと足掻いてみたいと思います♪
足りないノーミソふりしぼりますので、いさなさん「おでに分けてくれ超!元気玉~~!」(笑)
ぶっちゃけ、こんな悲惨な目にヒロイン遭わせる作者なんてどんだけド・S!って感じですが…(^^ゞ
きっとラズリが助けてくれるYO!って思うので。(え。それ誰が書くのやっぱり私かにゃ~)
そんでもってきっと最後はラズリとティーナが手を合わせて「バルス!」って言うんだよ、と先日のお茶会でふざけて話しておりましたが、でもあれすごく便利なので、きっとリセーーーット!の魔法だよなあとかなんとか。
でも絶対どんなことがあってもギアス24・25話みたいに「二期をお楽しみに!」的な引きとか、「そして二人は新たな冒険へと旅立つのだった」(長らくのご愛読ありがとうございました)というおざんぷ(笑・つーか私的にはそのエンディング「サザンアイズ」でやられてしまって正直ごっつ引いた…; なので最終巻まで買ってないんだ本当に!)的まとめにはしたくないと思っておりますvv
せめて映画「ゲ○戦記」並に、お約束展開だけどまあそれが無難よね…という程度まではもっていけたらと。
魔族がじわりじわりと姿形なき“無”で人の世界を侵略することに対し、竜に頼るらねばならないという流れというのはある意味、人の手ではどうしようもないことだからもっと高次の存在にすべてを委ねて解決してもらおう、というのはちと卑怯な気もしますのでね。。。
もちょっと安易に流れるのではなく、なんとかならないものかと足掻いてみたいと思います♪
足りないノーミソふりしぼりますので、いさなさん「おでに分けてくれ超!元気玉~~!」(笑)