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おおおお、おま、お待たせしました、更新です…!
前回更新から10日もかかってしまいましたね…(-_-;)
もー、本当にすみませんすみませんっ。
今回の遅れは時間がないとか、いつものそういう物理的なことではなくて(ギアッスに魂もっていかれっぱなしというのはこの際置いておいて…;)、もっとプリミティブな理由です;
ええ、創作者としては実にあるまじきことで(^^ゞ
書くネタがない…;
(えー。それでも書くのー;)
前回更新から10日もかかってしまいましたね…(-_-;)
もー、本当にすみませんすみませんっ。
今回の遅れは時間がないとか、いつものそういう物理的なことではなくて(ギアッスに魂もっていかれっぱなしというのはこの際置いておいて…;)、もっとプリミティブな理由です;
ええ、創作者としては実にあるまじきことで(^^ゞ
書くネタがない…;
(えー。それでも書くのー;)
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「書いていいのは、けなされる覚悟のある奴だけだ…!」
…はいはい。
もーいーです。
おわおわ、終わりましたから…。
ぱたりorz
お待たせ! いさなさん!
(にっこり。バトン渡し~)
…はいはい。
もーいーです。
おわおわ、終わりましたから…。
ぱたりorz
お待たせ! いさなさん!
(にっこり。バトン渡し~)
「全力で、見逃せ!」
…もうわけがわかりません;(ええっ!)
とりあえずpart:5更新!
今回は読みやすいように段落をわざと空けてみましたーvv
さて、とアガシはラズリの腕を自分の肩に回し、腰をぐっと抱えながら、屋根の上から寮内の自室に戻ろうとして、そろりそろりと屋根裏部屋の天窓に足をかけた。
――まさに。その時だった。
「…ああら? かわいい王子さまはただいまお眠り中? それはそれは、とっても好都合だこと」
突然、彼らの背後で聞き覚えのある艶を含んだ甲高い声が響いた。
ハッとして肩越しに振り返るアガシ。
するとそこには彼の予想通り、どこからやって来てそこに存在しているのかなど定かではないが、妙齢の女性である彼女がいた。
体の線がよく出るようなぴたっと密着した衣服の上から、白衣を着込み、腰に手を当て両足を広げてすっくと立ちながら、彼らを挑発するかのような視線を送り続けていたのだった。
金髪・碧眼、丹精な面立ち。おまけに出るとこ出て、引っ込むところは引っ込んでの、いわゆるナイスバディの持ち主の彼女は、ミランダ・オースティン。この学院の養護教諭だ…表向きは。
しかしアガシの勘では、彼女はまずもって怪しいことこの上ない女性だった。
するりするりと相手を煙に撒き、狡猾そうでどうにも食えない胡散臭さに満ちた人柄。必要以上にしなを作り、周囲に媚を売るような視線もわざとらしさも鼻につく。
彼女の外観が放つこの世の者ならぬ妖艶的色香とて、食虫植物の如き毒々しいまでのそれと何ら変わりなくぞっとするもので、本音を言えば、極めて最低、最悪な要注意人物としか見なされなかったのだ。
「…ミランダ。おまえ、一体ここへ何しに?」
「ああら。あたくしにそんな不遜な態度を取っていいのかしら、アガシ。あなたは生徒、あたくしは養護教諭。どう見たって、立場的にはあたくしの方が上のはずよね?」
「あんたが、それ相応の尊敬に値する人物ならな」
はんっと鼻を鳴らしてアガシはミランダの厭味を退けると、とたんに彼女の方があからさまにむっとした表情を示し、「ほんっとに口の減らないガキね」とのたまう。
…はは。ほら、な、いったいどっちがガキなんだかわかったもんじゃない。
アガシは憤るミランダに見せ付けるかのように、少しばかり優越的な笑みを浮かべた。
「ま、まあ。それは、いいけど。アナタもラズリごと殺しちゃえばいいだけの話だから、この際」
「ん、だとぉ…!」
「そうね。まずは、どうしようかしら…? その邪魔な石から片付けてしまいましょうか」
ミランダはくすくすと面白がるように笑いながら、ぱちんと指をひとつ鳴らした。
すると、どうしたことだろうか。
やおら、アガシは自分の手足の自由が全く利かなくなってしまったことを知り、愕然とするのだった。
「な…んだっ! 手が…手が、勝手に」
アガシは驚愕の表情を浮かべ、必死になって自身の行動を制御しようと試みるが、それら全ては徒労に終わった。
こんなことはやめよう、やめなければ、やめたいのに。
そう思う彼の意思に反して、体は機械的なほど動きを止めない。
肩にかついだラズリの腕から自分が離れると、その胸元に手をかけて一番上のシャツのボタンを外し、彼の首にかかっていた銀鎖をするりと引き出していくのだった。
「あっはっはっ。ほぉら、やっぱりアンタの方がまだまだガキじゃない…!」
「チ…キショ…ウ! やいテメェ! わいに何の術をかけやがった、ミランダァァァっ!」
悪鬼の如く形相を変え、怒鳴りつけるが、当の彼女はいつもの如く涼しい顔で「ああら、コワイコワイ」と肩をすくめておどけるばかり。
「んーふ。でもね、そう大したことないのよ。こんなのはちょっとした、ただの操演術。だってね、あたくしその石に嫌われているみたいなのぉ。だからちょっとね、あなたに手伝ってもらおっかなあって」
ばちこーん。長いまつげをしばたきながら人差し指を立てて、んーと唇をとがらせてはフフフと軽く笑みをこぼす。
「でもってね、その石はとってもお利口さんだから、ラズリに敵意を持たないあなたにはどうしても気を許しちゃうのね。…何もかもされるがまま。うふふ、本体のティーナとそっくりじゃないのっ」
「…ぐ…を…! ンだとぉ! …ミランダ、テメェェ!」
苦悶の色を濃くしながらも、ミランダのかけた術に何ら抵抗できないままのアガシは、震える指で静かに留め具を外し、ラズリの首から鎖を完全に引き離してしまうのだった。
「オーッホッホッホッ! 惨めね。無様だわ。いい気味よ、あんたたち! 青春まっしぐらのステキな熱ぅい友情もこれで台無しねっ。…さあ、その石をあたくしにおよこし!」
アガシに向かってしゃらりと手を差し出すミランダ。どうやらそれが合図だったらしい。
アガシはまたしても、自身の意志とは無関係に彼女めがけて鎖ごと石を放り投げてしまうのだった。
「はあい、ご苦労サマ。ホントに助かったわ、ありがとう」
にっこり。満面の笑みを浮かべながら、ミランダは軽く手を握る動作を行う。
アガシが放り投げつけてきた守り石の周囲を、シャボン玉のような薄い膜が張られ、件のティーナの守り石はふわりと軽く包み込まれたのだった。
「あはん。大成功。これでヨシ、と」
満足げにミランダはうなずき、すっと手を上から下へ振り下ろした。
「さあ、永遠に次元の間で漂っているがいいわ」
ふんっと鼻を鳴らして彼女が言い捨てた直後、石を包みこんだ薄膜で出来た球体は、ミランダやアガシの目の前からぱつんと音もなく消えてしまう。
「う…う…。うわあああああああっ」
アガシは頭を抱えながらその場で絶叫し、己の無力さを力いっぱいに恥じた。
な、なんてことやねん…! わいは…わいはっ。
すまん、ラズリ。堪忍してぇな、ティーナ…!
なんぼなんでもこんな、あの女のえげつのぉ手に陥るたぁ、わいの一世一代の不覚!
ホンマ、ラズリにもティーナにも…これから顔向けできへんことをしてしもぉてからにっ。
ミランダ、きさま…許すまじ…!
アガシは自分にできる精一杯の抵抗、鋭く厳つい眼力でもって、少し離れた位置に立つミランダを憎々しげに睨み付けた。
「…ふーう。まずは第一弾ね。でも、ホントばかね、あの子も。自身の力の源をそうして本体から離したところで、いったいどんな効果を発揮するというの。何が守れるっていうわけ。とんだ甘ちゃんよね。このあたくしを見くびらないでもらいたいものだわ」
自身の思惑が成功したことに気をよくしたミランダは、驕りを臆面もなくずらずらと口にしたかと思うと、今しも飛びかかってきそうなほど自分を凝視しているアガシに一瞥をくれた。
「さあ、お次はいよいよメイン・イベント開始よ! 今度もアガシ、あなたに協力を仰がなくちゃね。いちばん仲の良いオトモダチのあなたの手でラズリを冥土に送ってさしあげてちょうだい」
「ふ、ざける…な! 誰がそんなことを嬉々としてするかってんだ、こぉのど阿呆が!」
アガシは心の底で煮えたぎる想いそのままを、怒りとして彼女に思い切りぶつけたが、やはりどうしても手足の自由はまったく利かないことには何ら変わりがない。
足裏と屋根板部分がまるで針と糸でもって、返し縫いでしっかりその場に縫い留められたかのようで、最初の一歩すらも進ませることなどできなかったのだ。
「ああら? さっきもあなたはそう言いながら、ちゃあんとあたくしのお願いを聞いてくれたじゃなあい」
「うるへぇ! ボケェェッ! 誰がやるかぁぁ! テメェだきゃあ、ぜってぇーに許さねぇからなっ」
「そぉんなワガママ言わないのっ。だって、ラズリもあなたの手ずから死出の旅に赴いたとあれば、さぞかしあちらの世界に渡った際、手を合わせて感謝するはずよ。…あン、もぉ。大丈夫、大丈夫。そんな心配なんかしないで、あたくしにぜぇーんぶおまかせあれ」
アガシをからかっているのか、それとも彼の話を徹底無視しているためなのか。
どうも彼とは微妙に会話が噛みあわず、ズレた内容を独白として語っているにすぎないのだ。
しかしそれすらも、しょせん彼女にとってはどちらも同じでどうでもいいことこの上なく、きっと何の意味もなさないのだろう。
そして、ばんっ。ミランダはいきなり拍手をひとつ鳴らした。
「さあ、ここからが本番」
口先ではどこか茶化した雰囲気を醸し出しながらも、それでも目だけは非常に冷静で落ち着き払った態度を一貫とさせ続けるミランダ。
そんな彼女の合図を受けたためか、アガシは今度はがくんとひざをつき、自分のそばで静かに目をとじたまま横たわっているラズリの首に両の手をゆっくりとかけていくのだった。
「まさか…!」
自分がミランダに何をさせられているかが容易に想像がついてしまい、勢い顔面蒼白となるアガシ。
「んーふっ。さあさ、ここがふんばりどころよアガシ。そーそ、がんばってっ」
一方ミランダはさらに、にこにこと満面の笑みを口元に浮かべながら、しゅっしゅっと拳を前後に振って、相手を打ちのめすような動作を繰り返す。
悶絶に近いアガシの表情を眺めるのは、なんといっても大の好物なのだとばかりに、やたらと煽りまくりながら。
「やめんか、ミランダっ。わいにラズリを殺させるたぁ、悪趣味にもほどがあるっ!」
悲痛な叫びをあげながらも、アガシの体は彼の意志などまるで無視して、ますますラズリの首を締め上げていった。
ぐっと指先に力をこめてラズリの首筋に爪を立てると、やわらかい表皮と肉の内側に指が食い込み、徐々にそれは埋まっていった。
その度ごとに、それまでずっと無反応だったラズリの体がぴくと震え、低いうめき声のようなものが彼の咽喉の奥から漏れだしてくる。
「…っァ…。ハ…ァ」
空気の漏れ伝わるような、かすかにかすれた苦しげなラズリの声が自身の耳へと不定期に届くたび、アガシは心が楔で穿たれるような錯覚に陥った。
制御しようにも全く自由の利かない自分の手足ならば、いっそこのまま根元からばっさりと切り落とされ、四肢ごとなくした方がマシだという衝動にもかられる。
「…や、め…。ミラ…」
喉の奥からしぼりだされた自身の声は、からからに乾いていた。
目は血走り、心なしか頭がぼぉっとなって視界がぶれ、意識も揺らぎはじめる。
これ以上、ミランダにかけられた術が続くようなら、正常な精神を保っていられるのはあとわずか。そんなぎりぎり限界まで、アガシは究極に追い詰められてしまったのだ。
「い…いややっ。もうこれ以上は堪忍してぇな。やめろ…やめてくれぇええミランダっ。わいは…わいは…こないなこと、しとぉないねん。ラズリをこの手で殺しとぉないねん…!」
ほぼ断末魔に近いアガシの叫びが彼女に聞き届けられるはずもなく、その場でむなしく響き渡る。
そう、当の彼女はアガシの苦しみ、胸の痛さ、そんなことなど自分が知ったことかという態度で、せせら笑いながら自身の独白を続けるのだった。
「んー。そんなこと言ったってぇ、ここで一思いにぃ、あなたの命のありかを握りつぶすことなんてまったく他愛ないんだけどぉ。でもぉ、このあたくしをさんざ翻弄させてくれた上に愚弄してくれたじゃなぁい? その御礼も存分にこめて、あなたのことを篤く手をかけて始末してあげるわねぇ。アガシとラズリ…。いいえ、ラズウェルト・セイルファーディム」
――え?
ラズリをその手にかけながら、そしてその面には狂気じみた苦悶の表情を浮かべながらも、アガシはミランダの言い放った言葉に心臓が射抜かれるほど、いきなりどきりとさせられた。
今…何て言ったんだ?
ミランダの奴は…ラズリのことを…なんて。
「…あらん? びっくりした? そうよねえ、まさかこんなロータスくんだりの魔法学院なんかに偽名まで使って、そんな有名人が潜んでいるだなんて、きっと多分、誰も思いもつかないでしょうかしら、当たり前といっちゃ当たり前かしら。セレスト・セレスティアン国一の有名人だもんねぇ、ラズウェルト・セイルファーディムといえば。何せ現国王の血を引く唯一の直系男子、お世継ぎのご嫡男として次期王位継承者第一位の名を抱く、誉高き王太子さま、その人ですものね…!」
ラズウェルト・セイルファーディム。
その名が天下に轟く王太子の正式なフルネームであることぐらい、王都からかなり遠く離れた辺境の砂漠の民の部族の出自であるアガシにすら知識として既に持っていた。
確か…御年十六歳の若君さまは、病弱でもある現国王の今後の体調如何によっては、十八歳の成人の儀を待たずに戴冠式が宮殿内にて執り行われるのではないかというのがもっぱら世間の噂でもあった。
政(まつりごと)への興味などなく、また将来、王室付き専任魔法使いの道へ進むことも視野に入れていなかったアガシにとって、王族関連話題には特に縁も所縁もないとひたすら外野を決めこんでいたが、ただ王太子が自分と同い年であることから、どことなく親近感を持っていたというのはひそかに事実ではあったが…。
その、ラズウェルト王太子がこのラズリ・マーヴィと同一人物、だと…?
しかも今、自分が手にかけているのは、そのまさに当の本人に相違なく――。
アガシはミランダから告げられた衝撃の事実に、驚きを通り越して、吐き気すら催しかねないほど愕然となった。
「そうよ、アガシ。あなたすごくてよ。他の誰にも真似できないことをこれからりっぱにやってのけるんですもの。歴史に名を残すわよお。太字でくっきりと、しかも傍線付きでね! 何せ、これまでずっとお忍びでロータスの魔法学院にて学業に専念されていた王太子殿下を、その素性をよもや知らなかったとはいえ、自らの手で殺害する羽目になるだなんて!」
何がそんなに面白おかしいのか、アガシにはさっぱり理解できなかったが、ミランダはさらに調子づいた高笑いを響かせる。
「あーっはっはっ。とってもすてきなスキャンダルね…! 嬉しいでしょ、アガシ! どうぞ喜びなさい。歓喜の雄たけびをあげなさい。どうぞ、遠慮なく、好きなだけねっ。あなたは史上最も極悪で非道な大いなる犯罪者として名を刻み、その存在は後世まで延々とが語り継がれていくことでしょうから」
「ぐおおおおおおおっ。ラズリぃいいいいっ」
ほぼ涙目の状態でアガシが絶叫すると、その勢いあまってなのだろうか。
…ぐらり。
立て膝をついていたアガシは、バランスを崩してラズリに手をかけたまま、彼の身の上になだれこむように倒れこんだ。
そして、また不幸なことにここは屋根の上だった。
平地であればそのまま地面に二人してつっぷすだけのことだけのはずが、片や意識のない状態のラズリ、片やミランダに手足の自由が奪われたアガシの二人は、ゆるやかながらも傾斜のついていたその場所から自然と転がり出してしまったのである。
しまった落ちる…!
どないすんや。このまま落ちて死ぬのんか、わいらはっ。ミランダみたいなえげつない女のおかげで悪戯に命を搾取されて…!
あかん…もうっ。
思わずアガシが覚悟を決めてぎゅっと目をつむると、急に体の転落は止んだ。
アガシは今、自分たちがどんな状況に置かれているのかを確かめたくないという気持ちもあるにはあったが、それでも恐る恐るまぶたを開けてみる。
と、それはまさに奇蹟としかいいようがない光景が眼下に広がっていた。
なんともなれば、屋根の突端に設けられていたわずかばかりの庇が彼ら二人の落下をほどよく遮り、かろうじて身一つだけ残してその場にとどまっていたのだから。
「ふんっ。どこまでも悪運の強い子たちだこと…!」
ミランダが面白くなさそうに鼻を鳴らしてすぐのことだった。
彼女は屋根の上を障害なくつかつか歩いて彼らのすぐそばまで近づくと、腕を組んだままの姿勢でラズリの体の上に倒れこんでいたアガシの背を細いヒールのついた靴でぐいっと足蹴にする。
「さあ、二人とも。さっさと地面に落ちてしまいなさいな」
「う…ッ。ッオ、おッ、ウ…」
制服のシャツごしであったが、背中に一点つきささるような痛みを感じてアガシはうめいた。
「やめ…や。ミランダ…!」
彼女の靴の踵の下でアガシは苦痛に顔を歪ませる。
しかし、ミランダにとってアガシの懇願は自分を扇動する最高のエールと受け取ったようで、かえってますます攻撃の度合いを強めていくばかりだったのだ。
「…くすっ。そうねえアガシ。それじゃあ、シナリオを書き換えてあげましょうか。こんなのは、いかが?」
強い嗜虐の色をその瞳に浮かべながら、ミランダはぐいぐいと容赦なくヒールをアガシの背にくいこませていく。
その度にアガシは苦しげにもだえ、息をあらげてうめき声を発した。
「次期王位を継ぐ重圧に思い悩んだラズウェルトは屋根の上から転落し、自ら命を絶った。それを止めようとした寮の同室の同級生も巻き添えをくらって一緒に。…ううん、ちょっと陳腐でありきたりかもね。それじゃ、こっちの方がよりドラマチックかしらん」
くくく。唇の端を歪ませ、ひどく悦に入った笑みを浮かべる。
「人目を忍ぶ恋仲だった二人の同級生同士が、異なる身分の差に悩み、世を儚んで、黄泉の国を目指し逃避行を計画。ある日、二人は互いの小指に赤い毛糸をからませながら、覚悟を決めて寮の屋根の上から死のダイブ…。うん、こっちの方が世間的にはウケそうね。じゃ、あなたたちの死亡を確認したら、あたくしが代理でステキな遺書を書いてさしあげるわ。甘酸っぱいロマンスのようなきらびやかで文学性の高い美文をね…!」
面白おかしく好き勝手なことをさんざほざきながら、ミランダは腰に手を当てふんぞりかえって高笑いを響かせた。
ふ、ざ、け、る、な…!
アガシはミランダの出した提案に全身くまなく鳥肌が立つほど嫌気に襲われた。
アホ抜かせ…ミランダの奴! こぉんの、腐れ外道女めっ。死んでからもわいら、その道の奴らへの格好のネタ提供及び、世間の笑い者になんざさせられてたまるかよっ。
「ラズリ、ラズリ…! 起きてくれ、頼む! 早く本体に戻ってきてくれえええっ」
アガシはラズリの首に手をかけたまま、今しも屋根から落ちる寸前のところを必死になって彼に目覚めよと訴えかける。
「ラズリーーーーーッ!」
断末魔の叫びをあげ、アガシは今度こそもうだめだと固くまぶたをつむねった。
だが、その瞬間――。
…もうわけがわかりません;(ええっ!)
とりあえずpart:5更新!
今回は読みやすいように段落をわざと空けてみましたーvv
さて、とアガシはラズリの腕を自分の肩に回し、腰をぐっと抱えながら、屋根の上から寮内の自室に戻ろうとして、そろりそろりと屋根裏部屋の天窓に足をかけた。
――まさに。その時だった。
「…ああら? かわいい王子さまはただいまお眠り中? それはそれは、とっても好都合だこと」
突然、彼らの背後で聞き覚えのある艶を含んだ甲高い声が響いた。
ハッとして肩越しに振り返るアガシ。
するとそこには彼の予想通り、どこからやって来てそこに存在しているのかなど定かではないが、妙齢の女性である彼女がいた。
体の線がよく出るようなぴたっと密着した衣服の上から、白衣を着込み、腰に手を当て両足を広げてすっくと立ちながら、彼らを挑発するかのような視線を送り続けていたのだった。
金髪・碧眼、丹精な面立ち。おまけに出るとこ出て、引っ込むところは引っ込んでの、いわゆるナイスバディの持ち主の彼女は、ミランダ・オースティン。この学院の養護教諭だ…表向きは。
しかしアガシの勘では、彼女はまずもって怪しいことこの上ない女性だった。
するりするりと相手を煙に撒き、狡猾そうでどうにも食えない胡散臭さに満ちた人柄。必要以上にしなを作り、周囲に媚を売るような視線もわざとらしさも鼻につく。
彼女の外観が放つこの世の者ならぬ妖艶的色香とて、食虫植物の如き毒々しいまでのそれと何ら変わりなくぞっとするもので、本音を言えば、極めて最低、最悪な要注意人物としか見なされなかったのだ。
「…ミランダ。おまえ、一体ここへ何しに?」
「ああら。あたくしにそんな不遜な態度を取っていいのかしら、アガシ。あなたは生徒、あたくしは養護教諭。どう見たって、立場的にはあたくしの方が上のはずよね?」
「あんたが、それ相応の尊敬に値する人物ならな」
はんっと鼻を鳴らしてアガシはミランダの厭味を退けると、とたんに彼女の方があからさまにむっとした表情を示し、「ほんっとに口の減らないガキね」とのたまう。
…はは。ほら、な、いったいどっちがガキなんだかわかったもんじゃない。
アガシは憤るミランダに見せ付けるかのように、少しばかり優越的な笑みを浮かべた。
「ま、まあ。それは、いいけど。アナタもラズリごと殺しちゃえばいいだけの話だから、この際」
「ん、だとぉ…!」
「そうね。まずは、どうしようかしら…? その邪魔な石から片付けてしまいましょうか」
ミランダはくすくすと面白がるように笑いながら、ぱちんと指をひとつ鳴らした。
すると、どうしたことだろうか。
やおら、アガシは自分の手足の自由が全く利かなくなってしまったことを知り、愕然とするのだった。
「な…んだっ! 手が…手が、勝手に」
アガシは驚愕の表情を浮かべ、必死になって自身の行動を制御しようと試みるが、それら全ては徒労に終わった。
こんなことはやめよう、やめなければ、やめたいのに。
そう思う彼の意思に反して、体は機械的なほど動きを止めない。
肩にかついだラズリの腕から自分が離れると、その胸元に手をかけて一番上のシャツのボタンを外し、彼の首にかかっていた銀鎖をするりと引き出していくのだった。
「あっはっはっ。ほぉら、やっぱりアンタの方がまだまだガキじゃない…!」
「チ…キショ…ウ! やいテメェ! わいに何の術をかけやがった、ミランダァァァっ!」
悪鬼の如く形相を変え、怒鳴りつけるが、当の彼女はいつもの如く涼しい顔で「ああら、コワイコワイ」と肩をすくめておどけるばかり。
「んーふ。でもね、そう大したことないのよ。こんなのはちょっとした、ただの操演術。だってね、あたくしその石に嫌われているみたいなのぉ。だからちょっとね、あなたに手伝ってもらおっかなあって」
ばちこーん。長いまつげをしばたきながら人差し指を立てて、んーと唇をとがらせてはフフフと軽く笑みをこぼす。
「でもってね、その石はとってもお利口さんだから、ラズリに敵意を持たないあなたにはどうしても気を許しちゃうのね。…何もかもされるがまま。うふふ、本体のティーナとそっくりじゃないのっ」
「…ぐ…を…! ンだとぉ! …ミランダ、テメェェ!」
苦悶の色を濃くしながらも、ミランダのかけた術に何ら抵抗できないままのアガシは、震える指で静かに留め具を外し、ラズリの首から鎖を完全に引き離してしまうのだった。
「オーッホッホッホッ! 惨めね。無様だわ。いい気味よ、あんたたち! 青春まっしぐらのステキな熱ぅい友情もこれで台無しねっ。…さあ、その石をあたくしにおよこし!」
アガシに向かってしゃらりと手を差し出すミランダ。どうやらそれが合図だったらしい。
アガシはまたしても、自身の意志とは無関係に彼女めがけて鎖ごと石を放り投げてしまうのだった。
「はあい、ご苦労サマ。ホントに助かったわ、ありがとう」
にっこり。満面の笑みを浮かべながら、ミランダは軽く手を握る動作を行う。
アガシが放り投げつけてきた守り石の周囲を、シャボン玉のような薄い膜が張られ、件のティーナの守り石はふわりと軽く包み込まれたのだった。
「あはん。大成功。これでヨシ、と」
満足げにミランダはうなずき、すっと手を上から下へ振り下ろした。
「さあ、永遠に次元の間で漂っているがいいわ」
ふんっと鼻を鳴らして彼女が言い捨てた直後、石を包みこんだ薄膜で出来た球体は、ミランダやアガシの目の前からぱつんと音もなく消えてしまう。
「う…う…。うわあああああああっ」
アガシは頭を抱えながらその場で絶叫し、己の無力さを力いっぱいに恥じた。
な、なんてことやねん…! わいは…わいはっ。
すまん、ラズリ。堪忍してぇな、ティーナ…!
なんぼなんでもこんな、あの女のえげつのぉ手に陥るたぁ、わいの一世一代の不覚!
ホンマ、ラズリにもティーナにも…これから顔向けできへんことをしてしもぉてからにっ。
ミランダ、きさま…許すまじ…!
アガシは自分にできる精一杯の抵抗、鋭く厳つい眼力でもって、少し離れた位置に立つミランダを憎々しげに睨み付けた。
「…ふーう。まずは第一弾ね。でも、ホントばかね、あの子も。自身の力の源をそうして本体から離したところで、いったいどんな効果を発揮するというの。何が守れるっていうわけ。とんだ甘ちゃんよね。このあたくしを見くびらないでもらいたいものだわ」
自身の思惑が成功したことに気をよくしたミランダは、驕りを臆面もなくずらずらと口にしたかと思うと、今しも飛びかかってきそうなほど自分を凝視しているアガシに一瞥をくれた。
「さあ、お次はいよいよメイン・イベント開始よ! 今度もアガシ、あなたに協力を仰がなくちゃね。いちばん仲の良いオトモダチのあなたの手でラズリを冥土に送ってさしあげてちょうだい」
「ふ、ざける…な! 誰がそんなことを嬉々としてするかってんだ、こぉのど阿呆が!」
アガシは心の底で煮えたぎる想いそのままを、怒りとして彼女に思い切りぶつけたが、やはりどうしても手足の自由はまったく利かないことには何ら変わりがない。
足裏と屋根板部分がまるで針と糸でもって、返し縫いでしっかりその場に縫い留められたかのようで、最初の一歩すらも進ませることなどできなかったのだ。
「ああら? さっきもあなたはそう言いながら、ちゃあんとあたくしのお願いを聞いてくれたじゃなあい」
「うるへぇ! ボケェェッ! 誰がやるかぁぁ! テメェだきゃあ、ぜってぇーに許さねぇからなっ」
「そぉんなワガママ言わないのっ。だって、ラズリもあなたの手ずから死出の旅に赴いたとあれば、さぞかしあちらの世界に渡った際、手を合わせて感謝するはずよ。…あン、もぉ。大丈夫、大丈夫。そんな心配なんかしないで、あたくしにぜぇーんぶおまかせあれ」
アガシをからかっているのか、それとも彼の話を徹底無視しているためなのか。
どうも彼とは微妙に会話が噛みあわず、ズレた内容を独白として語っているにすぎないのだ。
しかしそれすらも、しょせん彼女にとってはどちらも同じでどうでもいいことこの上なく、きっと何の意味もなさないのだろう。
そして、ばんっ。ミランダはいきなり拍手をひとつ鳴らした。
「さあ、ここからが本番」
口先ではどこか茶化した雰囲気を醸し出しながらも、それでも目だけは非常に冷静で落ち着き払った態度を一貫とさせ続けるミランダ。
そんな彼女の合図を受けたためか、アガシは今度はがくんとひざをつき、自分のそばで静かに目をとじたまま横たわっているラズリの首に両の手をゆっくりとかけていくのだった。
「まさか…!」
自分がミランダに何をさせられているかが容易に想像がついてしまい、勢い顔面蒼白となるアガシ。
「んーふっ。さあさ、ここがふんばりどころよアガシ。そーそ、がんばってっ」
一方ミランダはさらに、にこにこと満面の笑みを口元に浮かべながら、しゅっしゅっと拳を前後に振って、相手を打ちのめすような動作を繰り返す。
悶絶に近いアガシの表情を眺めるのは、なんといっても大の好物なのだとばかりに、やたらと煽りまくりながら。
「やめんか、ミランダっ。わいにラズリを殺させるたぁ、悪趣味にもほどがあるっ!」
悲痛な叫びをあげながらも、アガシの体は彼の意志などまるで無視して、ますますラズリの首を締め上げていった。
ぐっと指先に力をこめてラズリの首筋に爪を立てると、やわらかい表皮と肉の内側に指が食い込み、徐々にそれは埋まっていった。
その度ごとに、それまでずっと無反応だったラズリの体がぴくと震え、低いうめき声のようなものが彼の咽喉の奥から漏れだしてくる。
「…っァ…。ハ…ァ」
空気の漏れ伝わるような、かすかにかすれた苦しげなラズリの声が自身の耳へと不定期に届くたび、アガシは心が楔で穿たれるような錯覚に陥った。
制御しようにも全く自由の利かない自分の手足ならば、いっそこのまま根元からばっさりと切り落とされ、四肢ごとなくした方がマシだという衝動にもかられる。
「…や、め…。ミラ…」
喉の奥からしぼりだされた自身の声は、からからに乾いていた。
目は血走り、心なしか頭がぼぉっとなって視界がぶれ、意識も揺らぎはじめる。
これ以上、ミランダにかけられた術が続くようなら、正常な精神を保っていられるのはあとわずか。そんなぎりぎり限界まで、アガシは究極に追い詰められてしまったのだ。
「い…いややっ。もうこれ以上は堪忍してぇな。やめろ…やめてくれぇええミランダっ。わいは…わいは…こないなこと、しとぉないねん。ラズリをこの手で殺しとぉないねん…!」
ほぼ断末魔に近いアガシの叫びが彼女に聞き届けられるはずもなく、その場でむなしく響き渡る。
そう、当の彼女はアガシの苦しみ、胸の痛さ、そんなことなど自分が知ったことかという態度で、せせら笑いながら自身の独白を続けるのだった。
「んー。そんなこと言ったってぇ、ここで一思いにぃ、あなたの命のありかを握りつぶすことなんてまったく他愛ないんだけどぉ。でもぉ、このあたくしをさんざ翻弄させてくれた上に愚弄してくれたじゃなぁい? その御礼も存分にこめて、あなたのことを篤く手をかけて始末してあげるわねぇ。アガシとラズリ…。いいえ、ラズウェルト・セイルファーディム」
――え?
ラズリをその手にかけながら、そしてその面には狂気じみた苦悶の表情を浮かべながらも、アガシはミランダの言い放った言葉に心臓が射抜かれるほど、いきなりどきりとさせられた。
今…何て言ったんだ?
ミランダの奴は…ラズリのことを…なんて。
「…あらん? びっくりした? そうよねえ、まさかこんなロータスくんだりの魔法学院なんかに偽名まで使って、そんな有名人が潜んでいるだなんて、きっと多分、誰も思いもつかないでしょうかしら、当たり前といっちゃ当たり前かしら。セレスト・セレスティアン国一の有名人だもんねぇ、ラズウェルト・セイルファーディムといえば。何せ現国王の血を引く唯一の直系男子、お世継ぎのご嫡男として次期王位継承者第一位の名を抱く、誉高き王太子さま、その人ですものね…!」
ラズウェルト・セイルファーディム。
その名が天下に轟く王太子の正式なフルネームであることぐらい、王都からかなり遠く離れた辺境の砂漠の民の部族の出自であるアガシにすら知識として既に持っていた。
確か…御年十六歳の若君さまは、病弱でもある現国王の今後の体調如何によっては、十八歳の成人の儀を待たずに戴冠式が宮殿内にて執り行われるのではないかというのがもっぱら世間の噂でもあった。
政(まつりごと)への興味などなく、また将来、王室付き専任魔法使いの道へ進むことも視野に入れていなかったアガシにとって、王族関連話題には特に縁も所縁もないとひたすら外野を決めこんでいたが、ただ王太子が自分と同い年であることから、どことなく親近感を持っていたというのはひそかに事実ではあったが…。
その、ラズウェルト王太子がこのラズリ・マーヴィと同一人物、だと…?
しかも今、自分が手にかけているのは、そのまさに当の本人に相違なく――。
アガシはミランダから告げられた衝撃の事実に、驚きを通り越して、吐き気すら催しかねないほど愕然となった。
「そうよ、アガシ。あなたすごくてよ。他の誰にも真似できないことをこれからりっぱにやってのけるんですもの。歴史に名を残すわよお。太字でくっきりと、しかも傍線付きでね! 何せ、これまでずっとお忍びでロータスの魔法学院にて学業に専念されていた王太子殿下を、その素性をよもや知らなかったとはいえ、自らの手で殺害する羽目になるだなんて!」
何がそんなに面白おかしいのか、アガシにはさっぱり理解できなかったが、ミランダはさらに調子づいた高笑いを響かせる。
「あーっはっはっ。とってもすてきなスキャンダルね…! 嬉しいでしょ、アガシ! どうぞ喜びなさい。歓喜の雄たけびをあげなさい。どうぞ、遠慮なく、好きなだけねっ。あなたは史上最も極悪で非道な大いなる犯罪者として名を刻み、その存在は後世まで延々とが語り継がれていくことでしょうから」
「ぐおおおおおおおっ。ラズリぃいいいいっ」
ほぼ涙目の状態でアガシが絶叫すると、その勢いあまってなのだろうか。
…ぐらり。
立て膝をついていたアガシは、バランスを崩してラズリに手をかけたまま、彼の身の上になだれこむように倒れこんだ。
そして、また不幸なことにここは屋根の上だった。
平地であればそのまま地面に二人してつっぷすだけのことだけのはずが、片や意識のない状態のラズリ、片やミランダに手足の自由が奪われたアガシの二人は、ゆるやかながらも傾斜のついていたその場所から自然と転がり出してしまったのである。
しまった落ちる…!
どないすんや。このまま落ちて死ぬのんか、わいらはっ。ミランダみたいなえげつない女のおかげで悪戯に命を搾取されて…!
あかん…もうっ。
思わずアガシが覚悟を決めてぎゅっと目をつむると、急に体の転落は止んだ。
アガシは今、自分たちがどんな状況に置かれているのかを確かめたくないという気持ちもあるにはあったが、それでも恐る恐るまぶたを開けてみる。
と、それはまさに奇蹟としかいいようがない光景が眼下に広がっていた。
なんともなれば、屋根の突端に設けられていたわずかばかりの庇が彼ら二人の落下をほどよく遮り、かろうじて身一つだけ残してその場にとどまっていたのだから。
「ふんっ。どこまでも悪運の強い子たちだこと…!」
ミランダが面白くなさそうに鼻を鳴らしてすぐのことだった。
彼女は屋根の上を障害なくつかつか歩いて彼らのすぐそばまで近づくと、腕を組んだままの姿勢でラズリの体の上に倒れこんでいたアガシの背を細いヒールのついた靴でぐいっと足蹴にする。
「さあ、二人とも。さっさと地面に落ちてしまいなさいな」
「う…ッ。ッオ、おッ、ウ…」
制服のシャツごしであったが、背中に一点つきささるような痛みを感じてアガシはうめいた。
「やめ…や。ミランダ…!」
彼女の靴の踵の下でアガシは苦痛に顔を歪ませる。
しかし、ミランダにとってアガシの懇願は自分を扇動する最高のエールと受け取ったようで、かえってますます攻撃の度合いを強めていくばかりだったのだ。
「…くすっ。そうねえアガシ。それじゃあ、シナリオを書き換えてあげましょうか。こんなのは、いかが?」
強い嗜虐の色をその瞳に浮かべながら、ミランダはぐいぐいと容赦なくヒールをアガシの背にくいこませていく。
その度にアガシは苦しげにもだえ、息をあらげてうめき声を発した。
「次期王位を継ぐ重圧に思い悩んだラズウェルトは屋根の上から転落し、自ら命を絶った。それを止めようとした寮の同室の同級生も巻き添えをくらって一緒に。…ううん、ちょっと陳腐でありきたりかもね。それじゃ、こっちの方がよりドラマチックかしらん」
くくく。唇の端を歪ませ、ひどく悦に入った笑みを浮かべる。
「人目を忍ぶ恋仲だった二人の同級生同士が、異なる身分の差に悩み、世を儚んで、黄泉の国を目指し逃避行を計画。ある日、二人は互いの小指に赤い毛糸をからませながら、覚悟を決めて寮の屋根の上から死のダイブ…。うん、こっちの方が世間的にはウケそうね。じゃ、あなたたちの死亡を確認したら、あたくしが代理でステキな遺書を書いてさしあげるわ。甘酸っぱいロマンスのようなきらびやかで文学性の高い美文をね…!」
面白おかしく好き勝手なことをさんざほざきながら、ミランダは腰に手を当てふんぞりかえって高笑いを響かせた。
ふ、ざ、け、る、な…!
アガシはミランダの出した提案に全身くまなく鳥肌が立つほど嫌気に襲われた。
アホ抜かせ…ミランダの奴! こぉんの、腐れ外道女めっ。死んでからもわいら、その道の奴らへの格好のネタ提供及び、世間の笑い者になんざさせられてたまるかよっ。
「ラズリ、ラズリ…! 起きてくれ、頼む! 早く本体に戻ってきてくれえええっ」
アガシはラズリの首に手をかけたまま、今しも屋根から落ちる寸前のところを必死になって彼に目覚めよと訴えかける。
「ラズリーーーーーッ!」
断末魔の叫びをあげ、アガシは今度こそもうだめだと固くまぶたをつむねった。
だが、その瞬間――。
お、おはようございました(爆)
あいかーらずのやまの某です。
おかげさまで旅行から無事帰りました。
そんでもって…やっとできました…part:4(´д⊂)
思い入れが大きすぎてムダに長いというか、もうちょっとコンパクトにまとめられないのかと我ながら反省するのですが、
(特に前半。必死の思いでティーナが屋根の上に立つまでが長いよね!)
それでもどーしても彼女の必死な様子が書きたくて(恋する乙女だからね!)妙に描写に力を入れてしまいました(^^ゞ
最近某アニメにハマったおかげでこれまであまり読むことのなかったテキストサイトさんものぞいているわけですが、どこも大抵そんなに文章量多くないのな…!
さらりと、でもちゃんと肝心なことは省いておらず、必要最低限の地の文とセリフがあれば、物語の内容というのは通じるのだということがとてもよくわかって、己の文章修行に最適というか、これまでの考えを改めろという教訓になります。
やっぱり人様の書く文をたくさん読むのは、自分の文を磨くためにも重要なことですよね…!(今さらですかそーですか)
でも実際、自分が書くとなると、どーしても本来の自身の書き方になってがーっと言いたいことを詰めてしまうんですよねー。
うわ、ちっとも振り返れていないよ。
アイタタタタ…(´д⊂)
何はともあれ、竜=ラズリとティーナのラブな場面(言い切る)が書けて大変満足いたしました♪
あいかーらずあの二人が顔を突き合わせると必ず派手に大喧嘩をおっぱじめてしまうので、どうしたもんかと思いましたが、竜になったおかげもあって、なんとか互いに歩み寄ることができたような気がします。
でもやっぱり、どこか一歩前進二歩後退な気がいたしますが(つまり全然進展がないってことか;)…。
これまで総ウケなティーナを書いてきましたが、ラズリ相手だとティーナ攻めに転じるのかも!?
いやいや、この場合襲いウケ!?
(誘いウケとともにワタクシの好きなパターンですが♪)
同級生同士ということもありますので、レヴェル的には同じような気がしますから、こんな感じなのかなと思いつつ…。
狙っていたようなあまり糖度の高い感じにはなりませんでしたが、
(あれでじゅーぶんだよ…と言われるかもしれません、いさなさんには(^^ゞ)それでも二人の距離が近づきあっているようなので、人間仕様での再会時にどんな感じになるのか楽しみです!
きっとお互い積もり積もったことが多すぎて、何も言わず真っ赤になったまま互いをじっと見つめあったりなんかしちゃって、アガシ辺りに「おいおい。そこで二人の世界を作るなよ」と無理やり間に割ってこられたりするんだろうなー。
はー。かわええ…(〃´o`)=3
今回もあからさまにギアスネタ(+鋼もあるのかしらあの説明…;)なんか入れておりますが(だってあれすごくかわいかったんだもん! ナナリー! 幼少トライアングル・ネタ大好き!)まあ、お遊びということで許してつかぁさい(^^ゞ
旧岩崎邸を彷彿とさせる金唐紙を壁に貼ったデヴォンシャー家(オリエンタルとかシノワズリィとか単語が入るとさすがに異世界物ではマズイと思って苦肉の策で「異国情緒」…。でもラズリには「アリかよ」とか「スットコドッコイ」とか、ありえないくらい現代語でスラングな言い回しをさせてしまいましたが、この際雰囲気重視、です; 重箱の隅をつつかれるとイタタタですが;)
それではさんざ前置きうるさいことこの上ありませんでしたが、続きへGO!です。
そして、自分担当回はまだ続きます。。。
ごめんねいさなさん~<(T◇T)>
あ、あと…二場面(爆)
あいかーらずのやまの某です。
おかげさまで旅行から無事帰りました。
そんでもって…やっとできました…part:4(´д⊂)
思い入れが大きすぎてムダに長いというか、もうちょっとコンパクトにまとめられないのかと我ながら反省するのですが、
(特に前半。必死の思いでティーナが屋根の上に立つまでが長いよね!)
それでもどーしても彼女の必死な様子が書きたくて(恋する乙女だからね!)妙に描写に力を入れてしまいました(^^ゞ
最近某アニメにハマったおかげでこれまであまり読むことのなかったテキストサイトさんものぞいているわけですが、どこも大抵そんなに文章量多くないのな…!
さらりと、でもちゃんと肝心なことは省いておらず、必要最低限の地の文とセリフがあれば、物語の内容というのは通じるのだということがとてもよくわかって、己の文章修行に最適というか、これまでの考えを改めろという教訓になります。
やっぱり人様の書く文をたくさん読むのは、自分の文を磨くためにも重要なことですよね…!(今さらですかそーですか)
でも実際、自分が書くとなると、どーしても本来の自身の書き方になってがーっと言いたいことを詰めてしまうんですよねー。
うわ、ちっとも振り返れていないよ。
アイタタタタ…(´д⊂)
何はともあれ、竜=ラズリとティーナのラブな場面(言い切る)が書けて大変満足いたしました♪
あいかーらずあの二人が顔を突き合わせると必ず派手に大喧嘩をおっぱじめてしまうので、どうしたもんかと思いましたが、竜になったおかげもあって、なんとか互いに歩み寄ることができたような気がします。
でもやっぱり、どこか一歩前進二歩後退な気がいたしますが(つまり全然進展がないってことか;)…。
これまで総ウケなティーナを書いてきましたが、ラズリ相手だとティーナ攻めに転じるのかも!?
いやいや、この場合襲いウケ!?
(誘いウケとともにワタクシの好きなパターンですが♪)
同級生同士ということもありますので、レヴェル的には同じような気がしますから、こんな感じなのかなと思いつつ…。
狙っていたようなあまり糖度の高い感じにはなりませんでしたが、
(あれでじゅーぶんだよ…と言われるかもしれません、いさなさんには(^^ゞ)それでも二人の距離が近づきあっているようなので、人間仕様での再会時にどんな感じになるのか楽しみです!
きっとお互い積もり積もったことが多すぎて、何も言わず真っ赤になったまま互いをじっと見つめあったりなんかしちゃって、アガシ辺りに「おいおい。そこで二人の世界を作るなよ」と無理やり間に割ってこられたりするんだろうなー。
はー。かわええ…(〃´o`)=3
今回もあからさまにギアスネタ(+鋼もあるのかしらあの説明…;)なんか入れておりますが(だってあれすごくかわいかったんだもん! ナナリー! 幼少トライアングル・ネタ大好き!)まあ、お遊びということで許してつかぁさい(^^ゞ
旧岩崎邸を彷彿とさせる金唐紙を壁に貼ったデヴォンシャー家(オリエンタルとかシノワズリィとか単語が入るとさすがに異世界物ではマズイと思って苦肉の策で「異国情緒」…。でもラズリには「アリかよ」とか「スットコドッコイ」とか、ありえないくらい現代語でスラングな言い回しをさせてしまいましたが、この際雰囲気重視、です; 重箱の隅をつつかれるとイタタタですが;)
それではさんざ前置きうるさいことこの上ありませんでしたが、続きへGO!です。
そして、自分担当回はまだ続きます。。。
ごめんねいさなさん~<(T◇T)>
あ、あと…二場面(爆)
ども~。
皆様コンバンハです~;
なんかもう(´д⊂)
泣きたいくらいに今週の執筆時間に充てるゆとりのなさに辟易しているやまのさんです;
うううう、ふぇえ…<(T◇T)>
今回は前回までの反省を大いに踏まえて、月曜日からもりもり書き始めて、五割方まで書いていたので、あとは火曜日のお休みに一気にやっつけてしまえば、たぶん絶対に終わるだろーと高をくくっていたら――
なんかいつの間にやら、前回までの二倍(5ページが10ページくらいになったわけですよ;)にページが膨れ上がってしまったおかげで、まったく終われませんでしたorz
(午前中~お昼にかけて母の買い物つきあいに駆り出されたので、とっかかりも夕方からだったのも敗因か;)
それと急に昨夜、職場の送迎会があったおかげでおいらの帰宅が午前様になってしまったのも影響したしな…。
とにかく今朝も出勤間際まで書いて、さっきもずっとページを開いていて、なんとか今日中に終わらせたい!と、ギリギリまでねばっていたのですが、明日明後日一泊旅行に朝一の特急で出かけることになっておりまして(起床が朝4時なんです…(-_-;)、とてもじゃないですけど…これ以上は仕上げていられなくて、早々と負けを認めてしまいますORZ
そんなわけで、上記↑タイトルの如くというところで、それ以上は何も申し上げることはないのですけど、part:4の掲載は週明け(土曜日の帰宅が早ければ推敲作業が進むかな;)ということになりますので、どうぞご了承くださいませ。
ほぼ実作作業は済んでいるので、あとはただひたすらに文を整えるだけだっていうのに、ほんっとにほんっとにくやしい気持ちでいっぱいです;
全て終わって晴れ晴れと清々しい気持ちで旅立ちたかったのに…ちくせう;
でも仮にも人様にお見せするにはこんなじゃダメ神様;だしねえ…。
またしても自分担当分の執筆遅れが災いして、いさなさんにもご迷惑をおかけいたしてしまいますが、どうか平にお許し~;>私信。
…それじゃ、こんな泣けてくるよなハートブレイク抱えてセンチメンタルジャーニーに行ってきます(〃´o`)=3
皆様コンバンハです~;
なんかもう(´д⊂)
泣きたいくらいに今週の執筆時間に充てるゆとりのなさに辟易しているやまのさんです;
うううう、ふぇえ…<(T◇T)>
今回は前回までの反省を大いに踏まえて、月曜日からもりもり書き始めて、五割方まで書いていたので、あとは火曜日のお休みに一気にやっつけてしまえば、たぶん絶対に終わるだろーと高をくくっていたら――
なんかいつの間にやら、前回までの二倍(5ページが10ページくらいになったわけですよ;)にページが膨れ上がってしまったおかげで、まったく終われませんでしたorz
(午前中~お昼にかけて母の買い物つきあいに駆り出されたので、とっかかりも夕方からだったのも敗因か;)
それと急に昨夜、職場の送迎会があったおかげでおいらの帰宅が午前様になってしまったのも影響したしな…。
とにかく今朝も出勤間際まで書いて、さっきもずっとページを開いていて、なんとか今日中に終わらせたい!と、ギリギリまでねばっていたのですが、明日明後日一泊旅行に朝一の特急で出かけることになっておりまして(起床が朝4時なんです…(-_-;)、とてもじゃないですけど…これ以上は仕上げていられなくて、早々と負けを認めてしまいますORZ
そんなわけで、上記↑タイトルの如くというところで、それ以上は何も申し上げることはないのですけど、part:4の掲載は週明け(土曜日の帰宅が早ければ推敲作業が進むかな;)ということになりますので、どうぞご了承くださいませ。
ほぼ実作作業は済んでいるので、あとはただひたすらに文を整えるだけだっていうのに、ほんっとにほんっとにくやしい気持ちでいっぱいです;
全て終わって晴れ晴れと清々しい気持ちで旅立ちたかったのに…ちくせう;
でも仮にも人様にお見せするにはこんなじゃダメ神様;だしねえ…。
またしても自分担当分の執筆遅れが災いして、いさなさんにもご迷惑をおかけいたしてしまいますが、どうか平にお許し~;>私信。
…それじゃ、こんな泣けてくるよなハートブレイク抱えてセンチメンタルジャーニーに行ってきます(〃´o`)=3